(読み)ギ

デジタル大辞泉 「儀」の意味・読み・例文・類語

ぎ【儀】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢)
きちんと整えた人の姿・形。「威儀容儀
形の整った作法。「儀式儀礼行儀辞儀祝儀盛儀葬儀風儀流儀礼儀
見習うべき手本。模範。「儀表
かたどったもの。模型。また、科学実験器械。「渾天儀こんてんぎ測距儀地球儀
その件に関すること。事柄。「公儀仕儀難儀別儀余儀
[名のり]きたる・ただし・のり・よし

ぎ【儀】

[名]
儀式。礼式。「婚礼
事柄。こと。「そのならば論に及ばない」
[接尾]人代名詞人名、あるいはそれらの側の物を表す名詞に付いて、…こと、…に関して、の意を表す。多く、通知・通達などの文書の類に用いられる。「私この度一身上の都合により…」
「陳れば本校―も御承知の通り」〈漱石吾輩は猫である
[類語]事項項目費目くだり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「儀」の意味・読み・例文・類語

ぎ【儀】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 作法に従った進退。礼式。儀式。
      1. [初出の実例]「律者類也。儀者容儀」(出典:勝鬘経義疏(611)十大受章)
      2. 「釈子の風に背き、出家の儀をかく」(出典:梵舜本沙石集(1283)九)
    2. かたち。姿。
      1. [初出の実例]「儀を図し常に礼し、其の役輟(や)まず」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
    3. ( 形式名詞的な用法 ) こと。事柄。わけ。由(よし)
      1. [初出の実例]「何条其儀あるべき。但義王が有るを憚るか。其儀ならば義王をこそ出ださめと宣へば」(出典:平松家本平家(13C前)一)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 自分、または自分の側を示す名詞に付いて「こと」「…に関して」の意を表わす。候文や、届け書の類で用いられることが多く、謙譲の意を添える。
    1. [初出の実例]「Padre コトワ または Padre gui(ギ)ワ」(出典:ロドリゲス日本大文典(1604‐08))
    2. 「私義は、銀座にながなが使はれ」(出典:浄瑠璃・薩摩歌(1711頃)上)

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普及版 字通 「儀」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 15画

[字音]
[字訓] ようす・ただしい・のり

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は義(ぎ)。〔説文〕八上に「度なり」と儀度の意とする。金文に「威義」とあり、儀はのち分化した字。義は神に犠牲として供えた羊牲が、完全で神意にかなう意。それで神につかえるときの儀容を儀というのであろう。

[訓義]
1. ようす、礼容
2. ただしい、礼法にかなう。
3. のり、のっとる、かたどる。
4. たぐう、ならぶ。
5. 賢と通じ、かしこい

[古辞書の訓]
〔名義抄〕儀 ノリ・トル・ヨソホヒ・カタチヨシ・スガタ・フルマヒ・メヅラシ・ナラブ・カタフク・キタル・ソナフ・オホイナリ・タグヒ

[熟語]
儀宇・儀衛・儀観・儀軌・儀器・儀禁・儀・儀刑・儀形儀検儀采儀繖・儀止・儀車・儀章・儀象儀仗・儀状・儀飾・儀式・儀制・儀節・儀則・儀注・儀的・儀図・儀刀・儀範・儀表・儀品・儀服・儀文・儀方・儀法儀貌・儀門・儀容・儀礼・儀漏
[下接語]
威儀・一儀・羽儀・軌儀・旧儀・行儀・形儀・光儀・皇儀・婚儀・仕儀・辞儀・車儀・祝儀・初儀・昭儀・盛儀・葬儀・大儀・朝儀・廷儀・天儀・典儀・内儀・難儀・二儀・表儀・標儀・風儀・法儀・儀・有儀・余儀・容儀・来儀・律儀・流儀・両儀・令儀・礼儀

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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