(読み)ザ

デジタル大辞泉 「坐」の意味・読み・例文・類語

ざ【坐】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ザ(呉) [訓]すわる います
すわる。「坐臥ざが坐禅坐像跪坐きざ静坐
すわる所。「坐席」
いながらにして。何もせずに。「坐視
かかわり合いになる。「連坐
[補説]もと、「坐」は主にすわる動作に、「座」はすわる場所に用いた。新表記では「座」に書き換える。
難読胡坐あぐら憑坐よりまし

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精選版 日本国語大辞典 「坐」の意味・読み・例文・類語

う【坐・居】

  1. 〘 自動詞 ワ行上二段活用 〙 すわる。いる。
    1. [初出の実例]「急居、此云菟岐于(つきウ)」(出典:日本書紀(720)崇神一〇年九月)
    2. 「たまきはるわが山の上に立つ霞立つとも座(う)とも君がまにまに〈作者未詳〉」(出典:万葉集(8C後)一九一二)

坐の語誌

終止形の用例だけ見られ、「万葉集」ではふつう上一段活用「ゐる」が用いられているので、挙げてある万葉例の「う」は古い活用の残存とみられる。

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普及版 字通 「坐」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 7画

[字音]
[字訓] すわる・いながら

[説文解字]

[字形] 会意
土+人+人。土は土主、神を迎えるところ。その左右に人が対坐して訟事を決する。それで訴訟の関係者を座といい、当事者として裁判にかかわることを坐という。すなわちもと裁判用語である。〔説文十三下に「止まるなり」とし、字を留の省形とする。すなわち留止の意とするが、留は溜水の象形字で、坐とは関係はない。〔周礼、秋官、大司寇〕に、罪過有る者を「桎梏(しつこく)(かせ)して、(こ)れを嘉石に坐せしむ」とあり、〔周礼、秋官、朝士〕にも嘉石・肺石の左右に坐せしめて、その訟(うつた)えを聴くことをしるしている。その嘉石・肺石が、坐の字形にみえる土主にあたる。

[訓義]
1. 裁判の坐に連なる、罪に坐する、当事者として法廷に坐る。
2. すわる、とどまる、ひざまずいてすわる。
3. いながら、いながらにして、たやすく、そぞろに。
4. 座と通じて用いる。

[古辞書の訓]
名義抄〕坐 ヰル・マシマス・スウ・ヲリ・ツミ・ヨル・ヨリテ・ツミス/坐作 ヰズマヒ/端坐 ウルハシクヰル・ヒトリヰ 〔字鏡集〕坐 スウ・サル・トコ・ツミ・ヲリ・ヨル・ヨリキ・トドマル・ツミス・マシマス

[声系]
〔説文〕に・挫など十字を収める。座は後起の字であるが、宗などで坐を設けることをいう字であろう。獄坐に連なるとき身を低めて坐するので、坐声の字にその声義を承けるものがある。

[語系]
坐・座dzuaiは同声。座は〔玉〕に「牀座なり」とし、臥席の意とするが、もと神位を坐、または座といったものであろう。〔礼記、玉藻〕に「坐すること尸(し)(かたしろ)の如し」とあって、坐は本来は神聖の場における坐法であった。

[熟語]
坐愛・坐位・坐椅・坐隠・坐・坐・坐下・坐衙・坐臥坐懐・坐看・坐間・坐感・坐観・坐起・坐窺・坐騎・坐客・坐給坐挙坐漁・坐魚坐隅・坐・坐・坐睨・坐月・坐見・坐賈・坐語・坐誤・坐行・坐更・坐耗・坐克・坐哭坐獄・坐催・坐罪・坐作・坐死坐思・坐視坐尸・坐次・坐事坐侍坐失・坐車・坐者・坐収・坐処・坐商・坐誦・坐状坐乗・坐上・坐食・坐職・坐坐薪・坐睡・坐井・坐蛻・坐席・坐拙・坐船・坐選・坐前・坐禅・坐草・坐倉・坐曹・坐像・坐贓・坐・坐脱・坐談・坐致・坐馳・坐地坐痴・坐中坐釣・坐定・坐適・坐頭・坐榻・坐堂・坐読・坐・坐年・坐馬・坐婆・坐拝坐廃・坐煩・坐板・坐痺・坐髀・坐寐・坐誣・坐伏・坐辟・坐弁・坐補・坐舗・坐法・坐忘坐免・坐薬・坐擁・坐抑・坐来坐落・坐釐・坐立・坐流坐累・坐列・坐論
[下接語]
安坐・倚坐・円坐・縁坐・穏坐・擱坐・閑坐・環坐・危坐・起坐・坐・箕坐・久坐・居坐・虚坐・踞坐・恭坐・空坐・偶坐・隅坐・堅坐・孤坐・後坐・兀坐・尸坐・廁坐・侍坐・首坐・愁坐・従坐・上坐・食坐・深坐・寝坐・酔坐・正坐・清坐・盛坐・静坐・禅坐・対坐・端坐・鼎坐・独坐・反坐・晩坐・趺坐・並坐・別坐・末坐・密坐・黙坐・夜坐・幽坐・離坐・列坐・連坐・露坐

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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