精選版 日本国語大辞典 「杯・盃」の意味・読み・例文・類語
はい【杯・盃】
[1] 〘名〙 さかずき。酒を入れる器。また、酒。
① 容器に入れた液体、飯などを数えるのに用いる。また、生け花の数を数えるのにも用いる。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「メシ sambai(サンバイ)」 〔史記‐項羽本紀〕
② タコ、イカ、カニ、アワビなどの類を数えるのに用いる。
※浮世草子・世間胸算用(1692)四「鮹(たこ)二盃(ハイ)うって出る時」
③ 船を数えるのに用いる。
※病院の窓(1908)〈石川啄木〉「港の中には汽船が二艘(ハイ)」
④ 江戸時代、「両」に相当する単位として用いる。
※浮世草子・傾城色三味線(1701)大坂「妾の小るいに弐百ぱいつけて、汝にすぐにとらするがいやか」
⑤ 芝居小屋で、見物人の数を数えるのに用いる。五〇人を一杯という。
⑥ 錦絵の刷り立てに、二〇〇枚を一刷として、一盃、二盃などと数えるのに用いる。
⑦ 博徒などの用語で、度・回の意で用いる。
※浄瑠璃・歌枕棣棠花合戦(1746)三「二ぞろが十二はい、ヲット一ばんかいたぞ」
さか‐ずき ‥づき【杯・盃】
〘名〙 (さか(酒)つき(杯)の意)
※万葉(8C後)五・八四〇「春柳蘰(かづら)に折りし梅の花誰か浮べし佐加豆岐(サカヅキ)の上(へ)に」
② 酒席で、さかずきを差したり、受けたりすること。
※虎明本狂言・眉目吉(室町末‐近世初)「あれへいたらば、さかづきのあいさつも心得てせうず」
※怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉二「何だかこれでは御婚礼の三々九度(サカヅキ)の様で御座います」
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