消え入る(読み)キエイル

デジタル大辞泉 「消え入る」の意味・読み・例文・類語

きえ‐い・る【消え入る】

[動ラ五(四)]
1 しだいに消えてなくなる。「―・るような声」「夜の闇に―・る人影」
2 悲しさ、恥ずかしさなどのために人心地がなくなる。どうしてよいのか、身をもてあます。
「―・りつつ、えも言ひやらねば」〈枕・九〇〉
3 気を失う。
「夜べ俄にはかに―・る人の侍りしにより」〈源・真木柱〉
4 息が絶える。死ぬ。
「年老い、病して、死ぬる刻みになりて、念仏して―・らんとす」〈宇治拾遺・四〉
[類語](2)疚やましい・後ろめたい・後ろ暗い・名折れ・面つら汚し・赤恥・羞恥・生き恥・死に恥・恥さらし・恥・恥ずかしい・面目ない・極きまり悪い・不名誉・不面目・肩身が狭い・合わせる顔がない・身の置き所が無い・穴があったら入りたい・面目次第も無い・汗顔・汗顔の至り・冷汗三斗・冷や汗もの・忸怩じくじ・顔向けが出来ない・顔が合わせられない・顔が潰れる・ばつが悪い・どの面下げて・恥じ入る・形かた無し・小恥ずかしい・気恥ずかしい・うら恥ずかしい・面おもはゆい・照れ臭い・恥をかく・身の縮む思い・申し訳ない・すまない・心苦しい・気の毒・気が咎とがめる・負い目・自責・面目丸潰れ・面目を失う・泥を塗る・名を折る・名を汚す・間が悪い・くすぐったい・こそばゆい・尻こそばゆい・まばゆい・顔負け・寝覚めが悪い・引け目・劣等感・コンプレックス・身に覚えがある・叩けば埃ほこりが出る・胡散うさん臭い・訳有り・黒歴史・脛すねに疵きず持つ・秘め事・呵責かしゃく・針の筵むしろ・罪悪感・痛心・十字架を背負う・慙愧ざんき・臍ほぞを噬かむ・悔悟・悔悛かいしゅん・懺悔ざんげ・痛恨/(4)死ぬ・亡くなる・死する・没する・果てる・眠る・瞑めいする・逝ゆく・斃たおれる・事切れる・身罷みまかる・先立つ・旅立つ・死去する・死亡する・死没する・物故する・絶命する・絶息する・永眠する・瞑目めいもくする・逝去せいきょする・長逝ちょうせいする・永逝えいせいする・他界する・昇天する・往生おうじょうする・落命する・急逝きゅうせいする・急死する・頓死とんしする・横死する・憤死する・夭折ようせつする・夭逝ようせいする・息を引き取る・冷たくなる・敢あえなくなる・世を去る・帰らぬ人となる・不帰の客となる・死出の旅に出る・亡き数に入る・鬼籍に入る・幽明境さかいを異ことにする・黄泉こうせんの客となる・命を落とす・人死に・物化・罷まかる・くたばる・絶え入る・はかなくなる・絶え果てる・空しくなる・仏になる・朽ち果てる・失命・夭死・臨終・ぽっくり・ころり・突然死・即死

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精選版 日本国語大辞典 「消え入る」の意味・読み・例文・類語

きえ‐い・る【消入】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. ① ひとりでに、また、しだいに、消えてなくなる。
    1. [初出の実例]「燈火などのきえいるやうにて果て給ひぬれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)薄雲)
  3. ② ひどく心に感じて、正気をなくす。人ごこちがなくなる。恥ずかしさに身も世もないようなさまになる。
    1. [初出の実例]「弁のおもとといふに伝へさすれば、消え入りつつ、え言ひもやらねば」(出典:枕草子(10C終)九〇)
    2. 「里へ帰る御名残(なごり)に、昔しを今に一ふしをうたへばきえ入斗(ばかり)」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)五)
  4. ③ 息が絶えてしまう。気絶する。仮死状態になる。
    1. [初出の実例]「よべ、にはかにきえいる人のはべしにより」(出典:源氏物語(1001‐14頃)真木柱)
  5. ④ ( ③から転じて ) 死ぬ。
    1. [初出の実例]「つひに七日きえ入り給ひぬ」(出典:落窪物語(10C後)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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