旅立つ(読み)タビダツ

デジタル大辞泉 「旅立つ」の意味・読み・例文・類語

たび‐だ・つ【旅立つ】

[動タ五(四)]

㋐旅に出る。かどでをする。「北海道へ―・つ」
㋑新しい生活に向けて出発する。かどでをする。「社会人として人生に―・つ」
亡くなる。死ぬ。「天国へ―・つ」
旅先にいる。旅に出ている。
「―・ちたる所にて下衆どもざれゐたる」〈九六
旅人らしいようすである。旅先のようである。
「中にたてる人も―・ちて狩衣なり」〈かげろふ・上〉
[類語](2死ぬ亡くなる死する没する果てる眠るめいするたおれる事切れる身罷みまか先立つ死去する死亡する死没する物故する絶命する絶息する永眠する瞑目めいもくする逝去せいきょする長逝ちょうせいする永逝えいせいする他界する昇天する往生おうじょうする落命する急逝きゅうせいする急死する頓死とんしする横死する憤死する夭折ようせつする夭逝ようせいする息を引き取る冷たくなるえなくなる世を去る帰らぬ人となる不帰の客となる死出の旅に出る亡き数に入る鬼籍に入る幽明さかいことにする黄泉こうせんの客となる命を落とす人死に物化まかくたばる絶え入る消え入るはかなくなる絶え果てる空しくなる仏になる朽ち果てる失命夭死臨終ぽっくりころり突然死即死

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精選版 日本国語大辞典 「旅立つ」の意味・読み・例文・類語

たび‐だ・つ【旅立】

  1. 〘 自動詞 タ行五(四) 〙
  2. 自宅以外の場所に滞在する。旅先にある。
    1. [初出の実例]「又、たび立たるに、きらきらしき道に、ちごも給へる」(出典:落窪物語(10C後)四)
  3. 旅に出発する。門出をする。
    1. [初出の実例]「鶯は花の都にたひたちて古巣恋しき音をや鳴くらむ」(出典:清輔集(1177頃))
  4. ( 「だつ」は接尾語 ) 服装風情がいかにも旅先のようである。
    1. [初出の実例]「はたごどころとおぼしき方より、切りおほね、物の汁してあへしらひて、まづいだしたり。かかるたびだちたるわざどもをしたりしこそ、あやしうわすれがたうをかしかりしか」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
  5. 死ぬ。亡くなる。冥土に行く。あの世に行く。
    1. [初出の実例]「喜の字の祝去年立派にしたを此世のおもひ出にして旅立(たびダタ)れたれば」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴二三)

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