朽果てる(読み)クチハテル

デジタル大辞泉 「朽果てる」の意味・読み・例文・類語

くち‐は・てる【朽(ち)果てる】

[動タ下一][文]くちは・つ[タ下二]
すっかり腐ってもとの形をなくしてしまう。「―・てた山小屋
世に知られないままに死んでしまう。「市井しせい片隅に―・てる」
[類語](1尽きる尽き果てる絶え果てる消え果てる/(2死ぬ亡くなる死する没する果てる眠るめいするたおれる事切れる身罷みまか先立つ旅立つ死去する死亡する死没する物故する絶命する絶息する永眠する瞑目めいもくする逝去せいきょする長逝ちょうせいする永逝えいせいする他界する昇天する往生おうじょうする落命する急逝きゅうせいする急死する頓死とんしする横死する憤死する夭折ようせつする夭逝ようせいする息を引き取る冷たくなるえなくなる世を去る帰らぬ人となる不帰の客となる死出の旅に出る亡き数に入る鬼籍に入る幽明さかいことにする黄泉こうせんの客となる命を落とす人死に物化まかくたばる絶え入る消え入るはかなくなる絶え果てる空しくなる仏になる失命夭死臨終ぽっくりころり突然死即死

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「朽果てる」の意味・読み・例文・類語

くち‐は・てる【朽果】

  1. 〘 自動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]くちは・つ 〘 自動詞 タ行下二段活用 〙
  2. すっかり腐って原形をとどめないようになってしまう。すっかり老朽してしまう。
    1. [初出の実例]「春の日に乾かざりせば古への袂ながらやくちはてなまし」(出典:栄花物語(1028‐92頃)暮待つ星)
  3. 世に知られることもなく、いたずらに一生を終わる。不遇のままに死ぬ。
    1. [初出の実例]「難波人(なにはびと)いかなる江にかくちはてんあふ事なみに身をつくしつつ〈藤原良経〉」(出典新古今和歌集(1205)恋一・一〇七七)
    2. 「どんな事があっても私は中津で朽果(クチハ)てやうとは思ひません」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉大阪修業)

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