灼然(読み)シャクゼン

デジタル大辞泉 「灼然」の意味・読み・例文・類語


いや‐ちこ【灼然】

[形動ナリ]
神仏利益りやく霊験などのあらたかなさま。
「かく―なる奇瑞侍れば」〈読・弓張月・残〉
際だって明らかなさま。
理実ことわり―なり」〈神武紀〉

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精選版 日本国語大辞典 「灼然」の意味・読み・例文・類語

しゃく‐ぜん【灼然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙
  2. あきらかなさま。明白なさま。判然。
    1. [初出の実例]「亡人存日処分。証拠灼然者。不此令」(出典令義解(718)戸)
    2. 「人情をば灼然(シャクゼン)として見えしむるを我小説家の努(つとめ)とするなり」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上)
    3. [その他の文献]〔劉寔‐崇譲論〕
  3. かがやくさま。

いや‐ちこ【灼然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 神仏の利益(りやく)、霊験などが著しいさま。あらたかなこと。はなはだ明らかであること。
    1. [初出の実例]「灼然、此をば以椰知挙(イヤチコ)と云ふ」(出典:日本書紀(720)景行五一年正月)
    2. 「かく灼然(イヤチコ)なる奇瑞侍れば、とく姑巴嶋(こはしま)へ到らせ給へかし」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)残)

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