灼然(読み)シャクゼン

デジタル大辞泉 「灼然」の意味・読み・例文・類語

しゃく‐ぜん【×灼然】

[ト・タル][文][形動タリ]輝くさま。また、明らかなさま。著しいさま。
人情をば―として見えしむるを我が小説家の務めとするなり」〈逍遥小説神髄
[類語]無論勿論もちろん当然当たり前もっとも自然至当元よりご無理ごもっと自明歴然歴歴一目瞭然瞭然明らか明白明明白白定か明快はっきり明瞭画然顕然まさしくまさに必至疑いなく然るべきすべからく言うまでもない言うに及ばず言えば更なり言わずもがな言うもおろか言をたない論をたない論無し推して知るべし隠れもない紛れもない無理もない無理からぬもありなん理の当然必然妥当自明の理それもそのはずもっともっとも至極もっとも千万うべなるかなむべなるかな合点唯唯諾諾首肯うべなう賛成賛同果たして果たせるかな更にも言わず至極のみならず言わずと知れた違いないくっきり諸手もろてを挙げる

いや‐ちこ【灼然】

[形動ナリ]
神仏利益りやく霊験などのあらたかなさま。
「かく―なる奇瑞侍れば」〈読・弓張月・残〉
際だって明らかなさま。
理実ことわり―なり」〈神武紀〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「灼然」の意味・読み・例文・類語

しゃく‐ぜん【灼然】

〘形動タリ〙
① あきらかなさま。明白なさま。判然。
令義解(718)戸「亡人存日処分。証拠灼然者。不此令
※小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上「人情をば灼然(シャクゼン)として見えしむるを我小説家の努(つとめ)とするなり」 〔劉寔‐崇譲論〕
② かがやくさま。

いや‐ちこ【灼然】

〘形動〙 神仏の利益(りやく)、霊験などが著しいさま。あらたかなこと。はなはだ明らかであること。
書紀(720)景行五一年正月「灼然、此をば以椰知挙(イヤチコ)と云ふ」
読本椿説弓張月(1807‐11)残「かく灼然(イヤチコ)なる奇瑞侍れば、とく姑巴嶋(こはしま)へ到らせ給へかし」

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