当然(読み)トウゼン

デジタル大辞泉 「当然」の意味・読み・例文・類語

とう‐ぜん〔タウ‐〕【当然】

[名・形動]そうなるのがあたりまえであること、道理にかなっていること。また、そのさま。「当然帰結」「罪人が報いを受けるのは当然だ」「至極当然
[副]それがあたりまえであるさま。「当然自分で行くべきだ」
[補説]「当前」と当てて書くこともある。これを訓読して「あたりまえ」という語が生じたという。→当たり前
[類語]もちろん元よりもっとも無論まさに当たり前ご無理ごもっと言うまでもない言わずもがな言をたない論をたないもありなん無理もない無理からぬ自然至当自明歴然歴歴一目瞭然瞭然灼然しゃくぜん明らか明白明明白白定か明快はっきり明瞭画然顕然まさしく必至疑いなく然るべきすべからく言うに及ばず言えば更なり言うもおろか論無し推して知るべし隠れもない紛れもない理の当然必然妥当自明の理それもそのはずもっとうべなるかなむべなるかな合点唯唯諾諾首肯うべなう賛成賛同果たして果たせるかな更にも言わず至極のみならず言わずと知れた紛れもない違いないくっきり諸手を挙げる

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精選版 日本国語大辞典 「当然」の意味・読み・例文・類語

とう‐ぜんタウ‥【当然・当前】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 形動 ) その事柄が、どう考えてもそうあるべきであること。そうであることが、なんら疑問の余地のないこと。あたりまえであること。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「敵の欺かん事尤も当然(タウゼン)也」(出典太平記(14C後)一九)
      2. 「且其説く所浅薄にして卑近なるが故に自今益其勢力を失ふは当前なり」(出典:偽悪醜日本人(1891)〈三宅雪嶺〉濁〈林辨次郎〉)
      3. [その他の文献]〔資治通鑑‐宋紀〕
    2. とうぜん(当前)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある ) その事柄が、どう考えても疑問の余地のないさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「当然かう言ふ例のやうに区別しなければなりません」(出典:侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉批評学)

当然の補助注記

日本では、「当前」と書かれる例もあり、それを訓読して「あたりまえ」ということばが生じたと考えられる。

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普及版 字通 「当然」の読み・字形・画数・意味

【当然】とう(たう)ぜん

必ずそうなる。必ずそうすべきこと。宋・軾〔司馬温公(光)行状〕事を論ずるに、必ず人物を以て先と爲し、する、皆天下の謂(いはゆる)當(まさ)に然るべきにして、然る後なり。

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