環(数学)(読み)かん

百科事典マイペディア 「環(数学)」の意味・わかりやすい解説

環(数学)【かん】

加・減・乗法が可能な集合除法も可能ならという)。正確には,集合Sの2要素間に加法と乗法(一般には2種の結合法)が定義され,任意の2要素にこれらの結合法を施したものはまたSに属し,任意の要素a,b,cに関し,1.加法についてはa+b=b+a,(a+b)+c=a+(b+c)が成立,a+x=bとなるSの要素xが存在する,2.乗法については(a・b)・c=a・(b・c),3.分配法則a・(b+c)=a・b+a・c,(a+b)・c=a・c+b・cが成立するとき,Sを環という。整数の集合および偶数の集合は普通の加法・乗法に関し環となる。→代数学
→関連項目群(数学)抽象代数学

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報