藤岡(市)(読み)ふじおか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤岡(市)」の意味・わかりやすい解説

藤岡(市)
ふじおか

群馬県南部にある市。1954年(昭和29)藤岡町と神流(かんな)、小野、美土里(みどり)、美九里(みくり)の4村が合併して市制施行、1955年日野、平井の2村を編入。2006年(平成18)多野(たの)郡鬼石町(おにしまち)を編入。JR八高(はちこう)線が通じ、国道17号、254号、462号、上信越自動車道の藤岡インターチェンジ、関越自動車道と接続する藤岡ジャンクションがあり神流川流域のバス路線の中心である。東西に細長い市域で、西部の4分の3は長瀞(ながとろ)系の御荷鉾山(みかぼやま)など関東山地北縁の地域、東部は神流川、鮎(あゆ)川の複合扇状地性の台地である。旧藤岡町は、中世芦田(あしだ)氏の城下町近世信濃(しなの)別路の宿場町、また4、9の日を市日とした繭、生糸、絹などの市場町として栄えた。特色のあるのは地元産の粘土を原料とする藤岡瓦(がわら)の製造で、昔からよく知られている。さらに工業団地が造成されて輸送機械や電気機器も生産される。国指定史跡の七輿山古墳(ななこしやまこふん)などの古墳群や本郷埴輪窯跡(ほんごうはにわかまどあと)があり、人工灌漑(かんがい)用溜池(ためいけ)の三名湖(さんなこ)は釣りと桜の名所である。国史跡高山社跡は明治時代に養蚕改良の教育機関高山社を設立した高山長五郎生家で、2014年に「富岡製糸場と絹産業遺跡群」の構成資産の一つとしてユネスコの世界文化遺産に登録された。面積180.29平方キロメートル、人口6万3261(2020)。

[村木定雄]

『『藤岡市史』全12巻(1989~2000・藤岡市)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android