覿面(読み)テキメン

デジタル大辞泉 「覿面」の意味・読み・例文・類語

てき‐めん【×覿面】

[名・形動]《「覿」は見る意》
面と向かうこと。まのあたりに見ること。また、そのさま。転じて、まのあたり。目前
「―に死と相見ているものは、姑息に安んずることを好まない」〈鴎外青年
効果結果・報いなどが即座に現れること。また、そのさま。「覿面な薬の効果」「天罰覿面
[類語]もろにもろ直接的正面真ん前前方向かい真向かい真向き真っ向真正面真面まおもてじかじか直直じきじき直接ちょく単刀直入率直露骨ずばりざっくばらんずけずけあけすけストレートダイレクト歯にきぬ着せぬまとも矢面やおもて差し向かい相対あいたいたいあからさまあらわむき出し赤裸赤裸裸公然ずばずば遠慮えげつないフランク遠慮会釈もないきっぱり断固毅然きぜん開けっ放し開けっ広げ不躾ぶしつけ身もふたもない

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精選版 日本国語大辞典 「覿面」の意味・読み・例文・類語

てき‐めん【覿面】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「覿」は見ること )
  2. まともに見ること。まのあたりに見ること。親しく見ること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「古徳の一挨一拶は当機覿面に即問をふさいだ分の事で、別に用事なし」(出典:盤珪仏智弘済禅師御示聞書(1688‐1704頃)上)
    2. [その他の文献]〔景徳伝燈録‐七〕
  3. ( 転じて ) まのあたり。まとも。目前。即座。また、面と向かってじかにするさま。
    1. [初出の実例]「長松樹下坐来時、覿面相看者是誰」(出典:天柱集(1348頃)自賛)
    2. 「此方より遮って愽多へ寄せて、覿面(テキメン)に勝負を決せんと思ければ」(出典太平記(14C後)一一)
  4. 目の前に著しい結果が現われること。ある事柄の効果や報いが即座に現われること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「髭ぬくと歯に的面などく 迎酒とて上塗の四月酔〈未及〉」(出典:俳諧・篗纑輪前集(1707)一)
    2. 「夫れ見や、てきめんにばちが当たあ」(出典:滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)下)

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普及版 字通 「覿面」の読み・字形・画数・意味

【覿面】てきめん

まのあたり。〔余叢考、三十一、覿面犯〕其の時(いみな)をくるの嚴なること、大此(かく)の如し。~故に酬接の時、亦た留せざるべからざるり。古人、門に入りてを問ふの禮以(ゆゑん)なり。

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