えげつない(読み)エゲツナイ

デジタル大辞泉 「えげつない」の意味・読み・例文・類語

えげつ‐な・い

[形]ものの言い方ややり方が露骨・無遠慮で節度を超えているさま。ずうずうしく、いやらしい。あくどい。もと関西方言。「―・い商売」「―・い話」
[派生]えげつなさ[名]
[類語]野放図勝手わがまま横着身勝手得手勝手手前勝手自己本位好き放題好き勝手気随気ままほしいまま恣意的しいてき利己的エゴイスチック好き自分勝手気任せ奔放自由尊大横柄傲然高慢傲慢驕慢倨傲大風おおふう高姿勢高飛車高圧的居丈高権柄尽く・偉そう・口幅ったい僭越越権不遜態度が大きい我が物顔空威張り野太い図太い太い豪胆厚かましい図図しいふてぶてしいおこがましいいけ図図しい猛猛しい虫がいい厚顔厚顔無恥鉄面皮破廉恥面の皮が厚い心臓が強い心臓に毛が生えている恥知らず傍若無人人を人とも思わない眼中人無し聞く耳を持たない横紙破りふんぞり返る自己中人も無げもろにもろ直接的正面真ん前前方向かい真向かい真向き真っ向真正面真面まおもてじかじか直直じきじき直接ちょく単刀直入率直露骨ずばりざっくばらんずけずけあけすけストレートダイレクト歯にきぬ着せぬてきめんまとも矢面やおもて差し向かい相対あいたいたいあからさまあらわむき出し赤裸赤裸裸公然ずばずば遠慮フランク遠慮会釈もないきっぱり断固毅然きぜん開けっ放し開けっ広げ不躾ぶしつけ身もふたもない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「えげつない」の意味・読み・例文・類語

えげつ‐な・い

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙 人に度を過ごして迷惑、不快の感じを与えるさま。特に、言い方や、やり方が露骨でいやらしい。ずうずうしく無遠慮である。思いやりがなく残酷である。いげつない。
    1. [初出の実例]「まアま、ほんまに大い体だんなア。なんで、こない、えげつなうなんなはってん」(出典:父親(1920)〈里見弴〉)
    2. 「それにしたかて外に何とかうそのつきやうもあるやないか、あんまりやり方がエゲツない」(出典:卍(1928‐30)〈谷崎潤一郎〉一五)

えげつないの補助注記

語源は不明。好ましくない状態を意味するが、あくが強い味覚を表現する「えぐい、えごい」が、ひどい、残酷という意味で用いられた例が江戸時代にあり、この語に関わるか。また、「いかつい(厳)」から派生したとする考え方もあるが、いずれにせよ「ない」は「はしたない」「せわしない」と同様に甚だしいの意である。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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