あからさま(読み)アカラサマ

デジタル大辞泉 「あからさま」の意味・読み・例文・類語

あから‐さま

[形動][文][ナリ]
1 包み隠さず、明らかなさま。また、露骨なさま。「あからさまに非難する」「あからさまな敵意を示す」
2 物事が急に起こるさま。にわかなさま。
「嗔猪いかりゐ、草中より―に出でて人を逐おふ」〈雄略紀〉
3 一時的なさま。ほんのちょっと。
「をかしげなる稚児ちごの、―にいだきて遊ばしうつくしむほどに」〈枕・一五一〉
4 (「あからさまにも」の形で、あとに打消しの語を伴って)かりそめにも。まったく。
「―にもあどなき事をばすまじき事なり」〈著聞集・二〇〉
[類語]あらわ・露骨・ざっくばらん・開けっ広げ・開けっ放し・明け透け・単刀直入・ずばり・直截ちょくせつ・率直・開放的・ずけずけ・大っぴら・赤裸・赤裸裸・筒抜け・ガラス張り・公然・表沙汰・フランク・歯に衣きぬ着せぬ・露出・裸出・丸出し・裸・露呈・漏洩ろうえい・漏れる・漏洩ろうせつ・漏れ出る・漏らす・漏出・リーク・露見・発覚・ばらす・ばれる・暴露・暴く・暴き立てる・ぽんぽん・口さがない・口が悪い・口うるさい・口やかましい・辛口・毒舌・ずばずば・ストレート・ダイレクト・剝むき出し・えげつない・遠慮会釈もない・無ぶ遠慮・言いたい放題・啖呵たんかを切る・もろに・もろ・直接的・正面・真ん前・前方・向かい・真向かい・真向き・真っ向・真正面・真面まおもて・直じか・直じかに・直直じきじき・直接・直ちょく・てきめん・まとも・矢面やおもて・差し向かい・相対あいたい・対たい・きっぱり・断固・毅然きぜん・不躾ぶしつけ・身も蓋ふたもない

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精選版 日本国語大辞典 「あからさま」の意味・読み・例文・類語

あから‐さま

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. [ 一 ]
    1. ① 物事の急に起こるさま。卒爾(そつじ)。にわか。たちまち。あからしま。あかさま。あかしま。
      1. [初出の実例]「俄にして、逐はれたる嗔猪(いかりゐ)草の中より暴(アカラサマ)(〈別訓〉ニハカニ)出でて人を逐ふ」(出典:日本書紀(720)雄略五年二月(前田本訓))
      2. 「『昔恋しければ、見奉らむ。渡し給へ』とあからさまにありければ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)衣の珠)
    2. ② 一時的であるさま。ついちょっと。かりそめ。「あからさまにも」の下に打消の語を伴って、「かりそめにも…しない。全く…しない」の意となることもある。
      1. [初出の実例]「あからさまの御ともにもはづし給はず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
      2. 「おほかた、この所に住みはじめし時は、あからさまと思ひしかども」(出典:方丈記(1212))
  3. [ 二 ] ( 明様 ) ありのままで、あらわなさま。明白なさま。
    1. [初出の実例]「亭(ちん)の遠眼鏡を取持て、かの女を偸間(アカラサマ)に見やりて」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)一)

あからさまの語誌

( 1 )「あから」は元来「物事の急におこるさま」「物事のはげしいさま」を表わすが、次第に「にわか・急」「ついちょっと・かりそめ」などの意に転じていった。しかし、「にわか・急」の意には「すみやか」「にはか」「たちまち」などの語が用いられるため、「あからさま」は「ついちょっと・かりそめ」の意に固定していったと考えられる。
( 2 )時代が下ってから[ 二 ]の用法が出て来るが、これは「明から様」と意識したことによると考えられる。

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