精選版 日本国語大辞典 「陽」の意味・読み・例文・類語
よう ヤウ【陽】
[1] 〘名〙
※風姿花伝(1400‐02頃)三「やうの気に陽とし、陰の気にいんとせば、和する所あるまじければ、成就もあるまじ」 〔易経‐坤卦〕
② 日の照らす方。光のさすところ。ひなた。山では南面、川では北岸の地をいう。
※三教指帰(797頃)上「橘柚徒レ陽、自然為レ枳、曲蓬揉レ麻、不レ扶自直」 〔白居易‐題王処士郊居詩〕
③ 陽気の盛んなこと。また、その時。
※太平記(14C後)四「春夏は陽の時にて忠賞を行ひ秋冬は陰の時にて刑罰を専にす」
④ 目に見える表面的なところ。うわべ。
⑤ 男性の性器。男根。
※随筆・独寝(1724頃)下「此塩を取貯へ置て、女を犯さんとおもふ前に酒にて一銭目呑む。陽をおこすこと甚妙也とかや」
[2] 〘語素〙 旧国名のはじめの一字の後に美称として付けて用いる。「薩陽」「肥陽」「尾陽」など。
※島隠集(1508)上「文明十四戊戌二月有一日、達二薩陽龍雲精舎一、忽脱二艸鞋一詣二凾丈一」
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