(読み)ヨウ

デジタル大辞泉 「陽」の意味・読み・例文・類語

よう【陽】[漢字項目]

[音]ヨウヤウ)(呉)(漢) [訓]ひ
学習漢字]3年
日。日の光。「陽光斜陽春陽夕陽太陽朝陽落陽
ひなた。山の南側。川の北側。「山陽洛陽らくよう
明るく暖かい。「陽春
うわべをいつわる。「陽狂陽動
表に現れている。「陽刻陽報
(陰に対して)積極的、能動的な性質。「陽気陽極陽子陽性陽転陽電気陰陽重陽ちょうよう
[名のり]あき・あきら・お・おき・きよ・きよし・たか・なか・はる・や
難読陽炎かげろう

よう〔ヤウ〕【陽】

易学で、陰に対置されて、積極的、能動的であるとされるもの。天・日・昼・男・強・動・奇数など。⇔
表から目に見えるところ。うわべ。⇔。→陽に
日の照らすこと。明るいこと。また、そのような所。
「静かなる夜を―に返す洋灯の笠に」〈漱石虞美人草

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精選版 日本国語大辞典 「陽」の意味・読み・例文・類語

ようヤウ【陽】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 易学で、陰に対置され、合わせて宇宙の根元となる。受動的な陰に対して、能動的、積極的な事象の象徴とする。日・春・夏・東・南・火・男・奇数・強・動など。
      1. [初出の実例]「やうの気に陽とし、陰の気にいんとせば、和する所あるまじければ、成就もあるまじ」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)三)
      2. [その他の文献]〔易経‐坤卦〕
    2. 日の照らす方。光のさすところ。ひなた。山では南面、川では北岸の地をいう。
      1. [初出の実例]「橘柚徒陽、自然為枳、曲蓬揉麻、不扶自直」(出典:三教指帰(797頃)上)
      2. [その他の文献]〔白居易‐題王処士郊居詩〕
    3. 陽気の盛んなこと。また、その時。
      1. [初出の実例]「春夏は陽の時にて忠賞を行ひ秋冬は陰の時にて刑罰を専にす」(出典:太平記(14C後)四)
    4. 目に見える表面的なところ。うわべ。
    5. 男性の性器。男根。
      1. [初出の実例]「此塩を取貯へ置て、女を犯さんとおもふ前に酒にて一銭目呑む。陽をおこすこと甚妙也とかや」(出典:随筆・独寝(1724頃)下)
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 旧国名のはじめの一字の後に美称として付けて用いる。「薩陽」「肥陽」「尾陽」など。
    1. [初出の実例]「文明十四戊戌二月有一日、達薩陽龍雲精舎、忽脱艸鞋凾丈」(出典:島隠集(1508)上)

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普及版 字通 「陽」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] ヨウ(ヤウ)
[字訓] ひ・ひなた・ひかり・あたたかい・いつわる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は昜(よう)。昜は台上の玉光が下に放射する形。玉の光は、魂振りとしての呪能があるとされた。阜(ふ)はもとに作り、神の陟降する神梯の象。その神梯の前に玉をおき、神の威光を示す字であった。〔説文〕十四下に「高なり」という。昜を〔説文〕九下は勿部に録し、「開くなり。日と一と勿とに從ふ」とし、日光と解するが、日は玉の形。昜は陽光の象徴とされ、その力能を陽という。陰陽は古くは昜としるした。陽はのち陽光の意となり、〔詩、小雅、湛露〕に「陽(ひ)に匪(あら)ざれば晞(かわ)かず」、〔詩、風、七月〕「春日載(すなは)ち陽(あたた)かなり」のような句がある。〔七月〕「我が朱孔(はなは)だ陽(あか)し」はその引伸義。佯(よう)と仮借通用する。

[訓義]
1. ひ、太陽、ひなた、ひかり。
2. あたたかい、山の南、川の北。
3. あきらか、あらわれる、あかるい、さかん。
4. 佯と通じ、いつわる。

[古辞書の訓]
名義抄〕陽 アキラカニ・アキラカナリ・ヒノヒカリ・アラハス・イツハル・ヒカリ・アタタカナリ・ヒ・アザムク・ヤハラカナリ

[語系]
陽・昜・暘・揚・jiangは同声。昜は玉光を示す字。玉光は陽光の象徴とされ、魂振りの儀礼に用いた。玉光を覆うことを・傷sjiangといい、凶礼をいう。佯jiangは同声、その義に通用する。

[熟語]
陽烏・陽炎・陽・陽夏・陽芽・陽雁・陽気・陽九・陽驚・陽狂・陽景・陽言・陽侯・陽光・陽彩・陽識・陽死・陽字・陽疾・陽・陽秋・陽春・陽燧・陽遂・陽精・陽石・陽鳥・陽怒・陽道・陽波・陽文・陽病・陽報・陽卜・陽眠・陽明・陽陽・陽林・陽霊
[下接語]
一陽・陰陽・炎陽・艶陽・外陽・羲陽・九陽・群陽・迎陽・歳陽・山陽・残陽・斜陽・秋陽・春陽・純陽・初陽・少陽・昭陽・新陽・正陽・青陽・清陽・盛陽・精陽・夕陽・太陽・重陽・朝陽・明陽・迷陽・孟陽・落陽・麗陽

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占い用語集 「陽」の解説

古代中国において考えられた陰陽思想のこと。この世の森羅万象を「陰」と「陽」に分類することができると考えられる。この陰陽に基づく思想を陰陽思想・陰陽道といい、五行論とともに陰陽五行説に発展した。陽は「男性的」「剛健」「動く」「日向」などの意味合いがある。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「陽」の解説

ひかい【陽】

沖縄泡盛。酒名は、太陽の光の意。甕壺で仕込み、熟成させた古酒。蒸留方法は常圧蒸留原料はタイ米、黒麹。アルコール度数25%。蔵元の「石川酒造場」は昭和24年(1949)創業。所在地は中頭郡西原町字小那覇。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

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