ロマンス(読み)ろまんす

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ロマンス(音楽用語)
ろまんす
romance 英語 フランス語 スペイン語
romanzaイタリア語
Romanzeドイツ語

西洋音楽用語。語源は「ローマ風」を意味するラテン語のromancieで、元来ラテン語に由来するロマンス語とそれで書かれた文学を意味したが、中世以来スペインでは長い叙事詩の一部を歌う物語歌として歌われた。18世紀からはフランスを中心に、恋愛にまつわる感傷的な詩とその歌曲として盛んになり、モーツァルトのジングシュピール『後宮からの逃走』やベルディのオペラ『アイーダ』などにも取り入れられている。
 器楽曲としてのロマンスは、18世紀後半に、その緩徐楽章として導入されるようになる。その例はモーツァルトのピアノ協奏曲ニ短調(K466)の第二楽章、同じモーツァルトのセレナード ト長調「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(K525)の第二楽章などがある。ベートーベンのヘ長調とト長調の二つのロマンス(作品50および40)は、バイオリンと管弦楽のための作品で、ロマン派の同種の曲の先駆となった。ピアノ独奏用もシューマンやフォーレが手がけている。[船山信子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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