デジタル大辞泉 「功」の意味・読み・例文・類語 こう【功】 1 すぐれた働き。りっぱな仕事。てがら。「功を立てる」「内助の功」2 経験や努力の積み重ねで出てくる効果。ききめ。功用。「蛍雪けいせつの功を積む」3 金鵄きんし勲章の等級。一級から七級まであった。[類語]功績・功労・手柄・殊勲・金字塔・遺産・実績・成績・業績・成果・偉業・遺業・勲功・偉功・事績・足跡・収穫・結実・実り・治績・偉勲・巨歩 こう【功】[漢字項目] [音]コウ(漢) ク(呉) [訓]いさお いさおし[学習漢字]4年〈コウ〉1 立派な仕事。手柄。「功罪・功績・功名・功利・功労/勲功・成功・戦功・年功」2 ききめ。「奏功」3 工夫。技術。「気功」〈ク〉1 ききめ。ごりやく。「功徳くどく・功力くりき」2 工夫。手段。「功夫くふう」[名のり]あう・あつ・いさ・かた・かつ・こと・つとむ・なり・なる・のり くう【▽功】 手柄。功績。こう。「この頃のわが恋力こひぢから記しるし集め―に申さば五位の冠かがふり」〈万・三八五八〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「功」の意味・読み・例文・類語 こう【功】 〘 名詞 〙① 努力してなしとげた仕事。働きによって成功をおさめたそのてがら。働き。いさお。くう。[初出の実例]「詔贈二直広壱一、以二壬申年功一也」(出典:続日本紀‐文武二年(698)六月丁巳)「かのなでしこは、え尋ね知らぬを、重きこうに御心のうちにおぼし出づ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)[その他の文献]〔書経‐大禹謨〕② 良い結果を生み出すための、長い間の努力、修練、経験などの効用。転じて単なるききめの意にも用いる。→功入(い)る・功を積む。[初出の実例]「後には笛の功(コウ)つもりて並びなき上手に成けり」(出典:発心集(1216頃か)六)「温泉(いでゆ)に浴す。その功有明に次と云」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)山中)③ 労働の対価として支払われるもの。労賃。また、経費をもいう。[初出の実例]「於レ是始制二笞法一、令レ償二其功一」(出典:続日本紀‐文武二年(698)七月乙丑)「竹を取て籠(こ)を造て、要する人に与へて、其の功を取て世を渡りける」(出典:今昔物語集(1120頃か)三一)④ 売官の任料として国家に納められる私財。贖労の称で古くから見られるが、平安時代に「功」の語で広く行なわれ、国家の財源の一つ。鎌倉時代にも見られる。[初出の実例]「園城寺前年為二山悪僧等一焼亡、而公家以二伯耆国一募レ功修造也」(出典:長秋記‐長承三年(1134)八月二七日)⑤ てがらに対し、賞として与えられるもの。「功田」「功位」などと称して用いられる。⑥ 役者評判記の役者の位付けで、上上吉の上に冠せる文字の一つ。「大」と同じく、「至」の上、「白極(しろごく)」の下に位し、老功格別なものの地位の称。〔劇場一観顕微鏡(1829)〕⑦ 旧日本軍で、武功をあげた者に与えられた栄典。功一級から功七級までの七段階に分かれ、各級に叙せられたものは、金鵄(きんし)勲章を受けた。[初出の実例]「今ならば金鵄勲章功(コウ)一級と言ふ所なんだが」(出典:良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉中)⑧ ( 形動 ) 強く勇猛なこと。また、そのさま。剛勇。[初出の実例]「薄手もおはぬ功の武者」(出典:浄瑠璃・鎌田兵衛名所盃(1711頃)名所屏風) いさおいさを【功・勲・績】 〘 名詞 〙 =いさおし(功)[初出の実例]「斯る功績(イサヲ)のありながら、卑臣(それがし)父子は王家に対し少しの忠義も竭さずと誰か陛下に申し上げたる」(出典:狐の裁判(1884)〈井上勤訳〉一〇) くう【功】 〘 名詞 〙 ( 功の呉音 ) てがら。功績。[初出の実例]「此の頃のあが恋力記し集め功(くう)に申さば五位の冠(かがふり)」(出典:万葉集(8C後)一六・三八五八) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例