普及版 字通 「如(漢字)」の読み・字形・画数・意味
如
常用漢字 6画
[字訓] ごとし・しく
[説文解字]
[甲骨文]
[その他]
[字形] 会意
女+口。女は女巫。口は(さい)、祝を収める器の形。巫女が祝を前にして祈る形で、その手をかざして舞う形は(若)。〔説文〕十二下に「從ひ隨ふなり」とあり、〔段注〕に「隨從するに必ず口を以てす。女に從ふは、女子は人に從ふなればなり」とするが、如・に従う意があるのは、巫によって示される神意に従うことをいう。〔爾雅、釈詁〕に「謀るなり」とは、神意に諮(と)う意。〔郭璞注〕にと同声とし、(はか)る意。はと同構の字。卜辞に「王は其れ如(はか)らんか」という例があり、巫によって神意を諮う意であろう。神意を受けて従うので、また従順の意となり、「如くす」の意となる。「如何(いかん)」とは、神意を問うことをいう。字の用義はと近く、形義に通ずるところがある。
[訓義]
1. はかる、神にはかる、神意をとう。
2. したがう、神意に従う、神意のままにする。
3. ごとくする、ごとし、神意に合うようにする。
4. しく、およぶ、神意に近づく、ゆく、いたる。
5. 如何、いかん、神意は何かととう、いかんせん。
6. 若と通じ、もし。形容語を作る、忽若~忽如。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕如 ゴトシ・モシ・カクノゴトク・カクノゴトキ・シタガフ・ムカシ・サキ・ユク・ハカリ・タトヒ・ワレ・ヒロシ・シカモ・ナホ・イマニタリ・ニタリ・シカルヲ・スケ
[声系]
〔説文〕に如声として・恕・絮など六字を収める。恕は神意を推す意を、人に及ぼしていう語。
[語系]
如njia、njiakは声義近く、通用の義が多い。また形容語の語尾を作る而nji、然njian、爾njiaiも同系の語で、接続の語としても通用の義がある。
[熟語]
如何▶・如一▶・如雲▶・如干▶・如許▶・如君▶・如馨▶・如月▶・如幻▶・如故▶・如今▶・如此▶・如是▶・如春▶・如如▶・如上▶・如常▶・如水▶・如破▶・如雷▶・如令▶・如意▶・如実▶
[下接語]
晏如・一如・繹如・宛如・婉如・何如・廓如・豁如・如・九如・翕如・皎如・如・奚如・欠如・闕如・灑如・粲如・自如・純如・所如・真如・斉如・悽如・淡如・澹如・屯如・如・突如・如・泊如・班如・斐如・炳如・蔑如・穆如・勃如・躍如・翼如・如・攣如
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報