曲者(読み)クセモノ

デジタル大辞泉 「曲者」の意味・読み・例文・類語

くせ‐もの【▽曲者/癖者】

1 盗賊などの怪しい者。「―が忍び込む」
2 ひと癖あって、したたかな人物。「ああみえて彼はなかなかの―だ」「―ぞろい」
3 表面には現れていない何かがありそうで、油断できないこと。「話のうますぎるところが―だ」
4 普通とは違った人物。なみなみでない人。
「光盛こそ奇異の―組んで討って候へ」〈平家・七〉
[類語]凶漢・凶賊・奸賊・海賊・山賊・賊徒・賊子・逆賊・謀反人・悪人・悪者・悪漢・悪党・悪玉・悪女・毒婦・食わせ物・詐欺師・山師・ペテン師・いかさま師・悪あく・悪わる・凶徒・凶手・人非人・人でなし・奸物・暴漢・暴れ者・暴れん坊・暴徒・荒くれ者・ごろつき・ならず者・地回り・やくざ・暴力団・無頼漢・無法者・与太者・ごろ・ちんぴら・あぶれ者

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精選版 日本国語大辞典 「曲者」の意味・読み・例文・類語

くせ‐もの【曲者・癖者・曲物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 普通とはどこか違ったところのある人や物。
    1. (イ) 変わりもの。奇妙なもの。一癖あるもの。変人。
      1. [初出の実例]「光盛こそ奇異のくせ者くんでうって候へ」(出典:平家物語(13C前)七)
      2. 「寺中にも重く思はれたりけれども、世を軽く思ひたる曲者にて」(出典:徒然草(1331頃)六〇)
    2. (ロ) なみなみでないもの。また、すぐれて巧みな人。よい腕前の人。妙手。
      1. [初出の実例]「疾く行くか、重なる山の木末よりと、一声に移りしくせ者也」(出典:申楽談儀(1430)喜阿)
  3. ② あやしいもの。
    1. (イ) 悪者。不心得もの。
      1. [初出の実例]「和田殿ききて、こはいかに、くせものとほりけるよ」(出典:曾我物語(南北朝頃)九)
      2. 「我君の御命をねらひ奉るくせものなり」(出典:御伽草子・唐糸草子(室町末))
    2. (ロ) えたいの知れないもの。危険なもの。用心しなければならないもの。
      1. [初出の実例]「是こそ件の院と云くせ者よ」(出典:太平記(14C後)二三)
      2. 「ただ、殆ど荷物らしい荷物を持ってゐないのがくせものだった」(出典:桐畑(1920)〈里見弴〉ワキ)
    3. (ハ) ばけもの。怪物。
      1. [初出の実例]「何鳥と云ふ事を知ろしめさず、癖物(クセモノ)なりとて御評定有り」(出典:源平盛衰記(14C前)一)
    4. (ニ) 奇怪な姿形をしたもの。
      1. [初出の実例]「いづくも不具に異様なるを見て、とりどりにたぐひなき曲者なり」(出典:徒然草(1331頃)一五四)
    5. (ホ) 私娼(ししょう)。
      1. [初出の実例]「大溝あって日影うつろうに掉竹(さほたけ)のわたし、とびざやの布(きゃふ)、糠ぶくろ懸て有しはくせものなり」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)二)
    6. (ヘ) 泥棒。盗人。密偵(みってい)。
      1. [初出の実例]「ぐっと突込天井の。板こじ放せば怪しき曲(クセ)者」(出典:浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)六)
    7. (ト) いやしい者。下賤のもの。
      1. [初出の実例]「灯呂共被レ頒二下地下曲者等一了」(出典:実隆公記‐延徳二年(1490)七月一六日)

きょく‐しゃ【曲者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 芸能にすぐれた人。芸能をよくする人。
    1. [初出の実例]「ただなまりの内の是非を聞き分くる事、堪不の曲者によるべし」(出典:五音曲条々(1429‐41頃))
  3. ② 能楽で、音曲の演者。
    1. [初出の実例]「Archimimus〈略〉アソビュウド、ヲトギ、qiocuxano(キョクシャノ) カシラ、キャウゲンダユウ」(出典:羅葡日辞書(1595))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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