腕(漢字)

普及版 字通 「腕(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(異体字)
13画

[字音] ワン
[字訓] うで

[説文解字]

[字形] 形声
声符は宛(えん)。〔説文〕十二上に正字をに作り、「手の(うでくび)なり」とし、「揚雄説」として「握る」の訓を加えている。〔釈名、釈形体〕に「腕は宛(ゑん)なり。宛屈すべきを言ふなり」とみえる。字はなおを正体としていたらしく、〔玉〕にもを正字とし、宛・(えん)声の字を異文として録する。(わつ)は目部四上に「目を(えぐ)るなり」とあり、は会意。は腕と同声。宛は中に人の坐する形で、宛然として坐して祈る姿。膝をまげて坐するふくよかな姿で婉曲の意もあり、腕はその声義をとる。は〔墨子、大取〕〔儀礼、士喪礼〕〔呂覧、本味〕などに用例がみえ、腕も〔墨子、大取〕にみえるが、のち腕が通用の字となった。〔段注〕には手上臂下、臂は手上の部分とし、〔説文通訓定声〕に、掌より次第に上に及んで、腕・肘・肱・肩とよぶとする。

[訓義]
1. うで、ただむき、肘と手首の間、手首。
2. 手なみ、腕前技倆
3. わが国では、肘の屈折部を中心に、肩から手首までをいう。

[古辞書の訓]
和名抄〕腕 太々无(ただむき)。俗に云ふ、宇天(うで)〔名義抄〕腕 ウデ・タブサ・タダムキ/ タツ・ウツ・ウデ 〔字鏡集〕腕 タダムキ・タブサ・タマキ・ウデ/ ヒク・トル・モツ・ユルス・アツシ・カタシ・ヌク

[語系]
腕・uan、宛・婉iuanは声近く、宛にふくよかの意がある。委iuai、紆・iuaもゆるくめぐる意があり、同系の語とみてよい。

[熟語]
腕釧・腕頭・腕法腕闌腕力
[下接語]
運腕・怪腕解腕・虚腕・懸腕・皓腕・弱腕手腕・舒腕・攘腕・雪腕・素腕・肘腕・鉄腕・把腕・敏腕・覆腕・扼腕腕・辣腕両腕・露腕

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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