岡山市(読み)オカヤマシ

デジタル大辞泉 「岡山市」の意味・読み・例文・類語

おかやま‐し〔をかやま‐〕【岡山市】

岡山

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「岡山市」の解説

岡山市
おかやまし

面積:五一〇・七二平方キロ

県の中央南部に位置する。吉備高原の南縁にあたる北西部の山地を除き、市域の大半は岡山平野の低平地が占め、南部東半は児島こじま湾・瀬戸内海に面する。中央部を旭川、東部を吉井川の二大河川が南流して児島湾に注ぎ、西部をささ川が南流し児島湖に注ぐ。東は邑久おく長船おさふね町・邑久町・牛窓うしまど町、北は赤磐あかいわ瀬戸せと町・山陽さんよう町、御津みつ御津町加茂川かもがわ町、西は上房じようぼう賀陽かよう町、総社市、都窪つくぼ山手やまて村・早島はやしま町、倉敷市、南は児島郡灘崎なださき町、玉野市にそれぞれ接する。JR山陽本線山陽新幹線、国道二号がほぼ並行して中央部を横断、東西の主要交通路を形成、山陽本線岡山駅からは北上するJR津山線、南下する同宇野うの線、および北西に向かうJR吉備線が、山陽本線東岡山駅からはJR赤穂あこう線が分岐する。また市域中心部から国道五三号が北上、同三〇号が南下する。吉備線に並行して走る国道一八〇号から分岐する国道四二九号が北西山間部を北上し、南部を国道二号に接続して東へ岡山ブルーハイウェーが通るなど交通の要衝となっている。市街地東にはみさお山山塊、西部には矢坂やさか山山塊など標高約二〇〇メートルの低丘陵地が点在、旭川西岸には北から天神てんじん山・いし山・岡山の小丘があり、岡山と総称される。市名は現市域の中核となった岡山城下を継承した。

〔原始・古代〕

市域周辺に人々が足跡を残し始めたのは更新世に属する旧石器時代のことで、この時代の終り頃には氷河気候のため海水面の低下が生じており、現児島湖の水面下一三メートルの湖底付近には湿原が広がっていた。後氷期から海水面の上昇が始まり、さらに縄文海進期の海面上昇によって海面はほぼ現在の水準に達した。この頃は西大寺さいだいじ付近・長利ながとし付近・久米くめ付近などまでをほぼ海域とし、「吉備温故秘録」などで語られている俗説と異なり、縄文海進の海岸線は市域の奥深くに入った形跡はない。しかし海域に入らない地域にも潟湖や湿地帯が広がっており、大小河川の河口付近には広く汽水域の潟湖が形成されていたものと推定される。この潟湖や河口地帯に形成された縄文時代の貝塚にはぬま貝塚・竹原たけはら貝塚などがあり、大内田おおうちだ貝塚では急速に海から潟湖へ変化したことが貝層の貝類からうかがうことができる。市街地北部にある百間川ひやつけんがわ遺跡群・南方みなみがた遺跡・津島つしま遺跡などでは、すでに沖積平野の上に縄文時代の集落が進出していた。

弥生時代になると、安定した沖積平野は拡大し、遺跡も広がりをみせ、分布の南端は二日市ふつかいち地区に及んでいる。


岡山市
おかやまし

2007年1月22日:岡山市が赤磐郡瀬戸町、御津郡建部町を編入
【瀬戸町】岡山県:赤磐郡
【岡山市】[変更地名]岡山県
【建部町】岡山県:御津郡


岡山市
おかやまし

2005年3月22日:岡山市が御津郡御津町、児島郡灘崎町を編入
【御津町】岡山県:御津郡
【岡山市】岡山県
【灘崎町】岡山県:児島郡


岡山市
おかやまし

2009年4月1日:岡山市が政令指定都市となる
【岡山市】[変更地名]岡山県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岡山市」の意味・わかりやすい解説

岡山〔市〕
おかやま

岡山県南部,旭川吉井川の中・下流域,岡山平野に広がる市。県庁所在地。1889年市制。1952年大野村,今村など 10村を編入。1954年財田町,高島村,幡多村,小串村,御津町の一部,1969年西大寺市,1971年一宮町,津高町など 7町 2村,1975年藤田村を編入。1996年中核市に移行。2005年御津町,灘崎町,2007年建部町,瀬戸町をそれぞれ編入。2009年政令指定都市に移行し,北区中区東区南区の 4区を置いた。中心市街地の岡山は戦国時代宇喜多直家(→宇喜多氏)の入城に始まり,江戸時代には池田氏城下町として発展した。1891年に山陽本線が開通して以来,山陽地方の交通,経済の中心となった。産業は繊維工業のほか食品,機械工業が行なわれ,岡南地区には化学工業などが進出している。南東部の吉井川下流右岸地区の西大寺は西大寺の門前町として発達,西大寺会陽で有名。南西部は旧児島湾干拓地で,興除,藤田,灘崎は機械化農業の先進地。児島湖は世界有数の規模の人造淡水湖として知られる。市街地北部の津高,上道はブドウ栽培が盛ん。一宮は吉備津彦神社の門前町,御津には日蓮宗不受不施派の本山妙覚寺がある。また,備中高松には豊臣秀吉水攻めで知られる高松城跡(国指定史跡)があり,国の特別名勝の後楽園,旧岡山藩藩学,岡山城跡,造山古墳(→総社古墳群)といった国指定史跡も残る。吉備津彦神社とともに吉備ノ中山に鎮座する吉備津神社本殿と拝殿は国宝。また林原美術館には国宝の太刀 2点などが収蔵されている。児島半島の一部などが瀬戸内海国立公園に,北部が吉備清流県立自然公園,西部が吉備史跡県立自然公園および吉備路風土記の丘県立自然公園に属する。JR山陽本線,津山線,吉備線,宇野線,赤穂線が集まり,1972年には山陽新幹線が開通,1988年には岡山空港が開港。山陽自動車道,岡山自動車道,国道2号線,30号線,53号線などが通じる。面積 789.95km2。人口 72万4691(2020)。

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