物部・武士(読み)もののふ

精選版 日本国語大辞典 「物部・武士」の意味・読み・例文・類語

もの‐の‐ふ【物部・武士】

〘名〙
① (物部) 令制前、大王に仕えた諸集団。大王に奉仕したさまざまな人々。つかさどる職分によって集団が分かれていて、それら集団の総称として用いられていた。
古事記(712)下・歌謡「物部(もののふ)の 我が夫子(せこ)が 取り佩ける 太刀の手上に 丹画き著け」
武勇をもって主君に仕え戦場で戦う人。武人武者。戦士。つわもの。もののべ。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「もののふの寝しづまるをうかがひて」
平家(13C前)二「たけきもののふ共もみな袖をぞぬらしける」
[補注]「もの」は兵器の意かというが明らかでなく、「ふ」も未詳だが、上代、軍事警察の任に当たった「もののべ(物部)」と関係の深い語と考えられる。

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