瑠璃(読み)ルリ

デジタル大辞泉 「瑠璃」の意味・読み・例文・類語

るり【瑠璃/×琉璃】

《〈梵〉vaiḍūryaの音写吠瑠璃べいるり」の略》七宝の一。青色の美しい宝石。赤・緑・紺・紫色などもあるという。
ラピスラズリのこと。
瑠璃色」の略。
青い羽色のオオルリコルリルリビタキのこと。 夏》「―啼いて青嶺あをねひらめく雨の中/不死男
ガラス古称玻璃はり
「―、さんごじゅのかざり銀のかぎ、金の輪」〈浮・織留・一〉
[類語]宝石たまぎょく宝玉勾玉原石金剛石ダイヤモンド玻璃石英水晶クリスタルクオーツ紫水晶アメシスト瑪瑙猫目石キャッツアイエメラルド翠玉緑玉石トパーズ黄玉オパール蛋白石トルコ石ターコイズガーネット柘榴石鋼玉ルビーサファイア翡翠碧玉琥珀真珠パール

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普及版 字通 「瑠璃」の読み・字形・画数・意味

【瑠璃】るり

るり。碧璃。〔世説新語汰侈〕武常(かつ)て王武子の家にる。武子、饌(せん)を供す。竝びに瑠璃のを用ふ。婢子百餘人、皆綾羅(りようら)袴羅(こら)して、手を以て飮(ささ)ぐ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「瑠璃」の意味・わかりやすい解説

瑠璃
るり

サンスクリット語はバイドゥーリヤvaiūrya(俗語形はベールーリヤvelūriya)で、吠瑠璃(べいるり)、琉璃(るり)などと音訳される。青色の宝石として仏典に頻出する。四宝(金、銀、瑠璃、玻璃(はり))または七宝の一つとしてつねに第三位に位置する。アフガニスタンのバダクシャーンに産地があったラピスラズリ(青金石)であろうとされる。西暦紀元以後は青色のガラス製品も瑠璃とよばれた。

[定方 晟]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「瑠璃」の意味・わかりやすい解説

瑠璃
るり

琉璃とも書く。 (1) サンスクリットのバイドゥールヤ Vaiduryaを音訳した毘瑠璃 (びるり) ,吠瑠璃 (べいるり) の略語。青,青紫色の宝石ラピス・ラズリのことでインド古代の七宝の一つ。 (2) ガラスの古名

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動植物名よみかた辞典 普及版 「瑠璃」の解説

瑠璃 (ルリ)

動物ヒタキ科に属するオオルリ・コルリの略称

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世界大百科事典(旧版)内の瑠璃の言及

【ガラス工芸】より

…パルティア時代に入ってその伝統はやや衰えたが,ササン朝時代になって再興し,カット・グラス製品を大流行させて全世界に輸出していった。日本や中国に伝えられた白瑠璃碗は,そのササン・カット・グラスの典型的一例である。一方,エジプトのガラスは当初テル・エル・アマルナやマルカタなどの王宮に所属した御用窯で作られたが,前13世紀ころより民窯も始められ,バラエティに富むガラス器が作られた。…

【ガラス玉】より

…中国にはガラスを指す語が種々あるが,日本で採用したのは,〈琉璃(るり)〉または〈瑠璃(るり)〉である。734年(天平6)の《造仏所作物帳》に見る〈琉璃雑色玉〉は,その早い使用例である。…

【ラピスラズリ】より

…ラピスラズリはペルシア語の紺碧色を意味するlāzhwardに,ラテン語で石を意味するlapisをつけたもの。日本でも瑠璃(るり)と称して七宝の一つに数えられ,また〈群青(ぐんじよう)〉と呼ぶ青色の岩絵具として昔から用いられてきた。【近山 晶】 ラピスラズリはアウインhaüyne(藍方石),ノゼアンnosean(黝(ゆう)方石),ラズライトlazurite,ソーダライトsodalite(方ソーダ石)が固溶体を形成するソーダライト族の鉱物である。…

※「瑠璃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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