デジタル大辞泉 「すっかり」の意味・読み・例文・類語 すっかり [副]1 残るもののないさま。ことごとく。「金庫の金がすっかりなくなる」「仕事がすっかりかたづく」2 完全にある状態になっているさま。まったく。「からだはもうすっかりよい」「すっかり春だ」3 すがすがしいさま。さっぱり。きっぱり。すっぱり。「―として、よいお子でおます」〈洒・色深猍睡夢〉4 難がなく、見ばえのするさま。すっきり。「かの後家といふは、―とした上しろもの」〈滑・膝栗毛・八〉[類語](1)凡て・全く・皆・何もかも・ことごとく・なべて・悉皆しっかい・残らず・余すところなく・漏れなく・逐一ちくいち・そっくり・洗い浚ざらい・一から十まで・くまなく・根こそぎ・虱潰し・あまねく・満遍ない・万事・一切・一切合財・丸ごと・ごっそり・すっぽり・いちいち・細大漏らさず・何でもかんでも・根掘り葉掘り・そっくりそのまま・全部・徹頭徹尾・残り無く・通じて・総じて・つぶさに・こぞって・丸丸・身ぐるみ・全一ぜんいつ・全的・全面的・軒並み・一通り・一渡り・ごそっと・一つ一つ・凡およそ・有りと有る・有りとあらゆる・全容・全貌・おんぶにだっこ・オールラウンド・することなすこと・何から何まで・一部始終・全体・裏表・網羅・丸きり・丸っきり・あるがまま・一揃ひとそろい・一式・十把ひとからげ・ひとまとめ・ありったけ・総なめ/(2)とっぷり・くれぐれ・釣瓶つるべ落とし・本に・本当・まことに・実に・真に・全く・まさに・まさしく・ひとえに・切せつ・げに・現に・ほとほと・つくづく・全く以て・何とも・実以て・真実・真個・真正・正真しょうしん・事実・実際・紛れもない・他ならない・有りのまま・現実・そのもの・神しん以て・神かみ掛けて・ほんま・正真正銘・いかにも 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「すっかり」の意味・読み・例文・類語 すっかり [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )① 思いきってするさま、滞りのないさまなどを表わす語。すっぱり。さっぱり。きっぱり。すっきり。[初出の実例]「帰る間に古郷の花の散たらばあちらこちらですっかりぞせん」(出典:狂歌・古今夷曲集(1666)一)「此君は道中のよそほひあまりすっかりとし給ふゆへ、すげなきよふにみゆるとは」(出典:洒落本・吉原源氏六十帖評判(1737))② =すかり②〔日葡辞書(1603‐04)〕③ 身長が高く、かっこうのいいさまを表わす語。すらり。[初出の実例]「ヲスガタヲ ミマラスレバ テアシモ succarito(スッカリト) カルゲニ」(出典:天草本伊曾保(1593)尾長鳥と孔雀の事)④ 姿態、服装など、外見が粋で見ばえのするさまを表わす語。きりり。[初出の実例]「妾といふ字は、見てもなでがたらしくすっかりと見へて」(出典:随筆・独寝(1724頃)上)「すっかりとめかして、おいらに見せよふと思ってサ」(出典:人情本・春色恵の花(1836)二)⑤ すらりと体をかわすさまを表わす語。[初出の実例]「鑓先揃へて突き出だす。ひらり早業すっかり素鑓」(出典:浄瑠璃・妹背山婦女庭訓(1771)道行)⑥ 残るところなくすべてにわたるさまを表わす語。ことごとく。まったく。[初出の実例]「刀を鞘ながら抜き、振り廻して『すっかりと、払ってくれろ払ってくれろ』」(出典:歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚(1809)三立)「僕は全然(スッカリ)まいっちまいました」(出典:牛肉と馬鈴薯(1901)〈国木田独歩〉)[ 2 ] 〘 名詞 〙① すべて。全部。[初出の実例]「『私なぞには解りませんけど好きでございますわ。』『その布の色なぞが?』『ええ。━布もでございますが、画のすっかりが』」(出典:桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉一四)② まったくない状態。[初出の実例]「『金は持ってるかい。』『それがもう、すっかりなの。』」(出典:紙風船(1925)〈岸田国士〉) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by