並ぶ(読み)ナラブ

デジタル大辞泉 「並ぶ」の意味・読み・例文・類語

なら・ぶ【並ぶ/双ぶ/列ぶ】

[動バ五(四)]
列などをつくって位置する。また、隣り合う。つらなる。「切符を買いに―・ぶ」「店に品物が―・んでいる」「―・んで座る」
二つのものが一緒に存在する。力の程度優劣がなく、対等である。匹敵する。「実力人気ともに―・ぶ」「彼に―・ぶ者はいない」
[可能]ならべる
[動バ下二]ならべる」の文語形
[類語](1列する連なる続く隣り合う並列する整列する堵列とれつする行列する列立する林立する櫛比しっぴする隣接する並行する並び配列羅列縦列直列隊列隊伍一列分列立ち並ぶ/(2するかな敵する比肩する匹敵する並立する伯仲する肩を並べる互角五分五分おっつかっつ拮抗きっこうどっこいどっこいとんとん等しい同じ同一等価同等五分対等相半ばする勝るとも劣らない並び立つ負けず劣らずいずれ劣らぬ似たり寄ったり団栗どんぐりせい比べ双璧そうへきちょぼちょぼ甲乙付け難い雁行一進一退鍔競つばぜり合い竜虎相搏あいう追いつ追われつ抜きつ抜かれつ競り合うせめぎ合う攻防一歩も引かぬ元元均等一律一様イコール同列同級等し並み同席同位符合合致一致吻合ふんごう整合暗合該当適合適応相当即応順応対応照応同質等質見合う当てはまる一緒同前同然同上同類共通同様そのまま

な・ぶ【並ぶ】

[動バ下二]ならべる。→べて
日々かが―・べて、夜には九夜、日には十日を」〈・中・歌謡

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「並ぶ」の意味・読み・例文・類語

なら・ぶ【並・双・列】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 バ五(四) 〙
    1. 二つ以上のものが近く接して位置する。列をつくって位置する。
      1. (イ) 空間的に近くにある。つらなる。近接する。
        1. [初出の実例]「和上等と並(ナラビ)て語(もの)いひ、与に並びて経行す」(出典:小川本願経四分律平安初期点(810頃))
      2. (ロ) 時間的に近くにある。つづく。前後する。
        1. [初出の実例]「過ぎにし年ごろ、ならべる月日の中に求むれど、わがごと悲しきはなしとおもふ人ありけり」(出典:賀茂女集(993‐998頃))
      3. (ハ) いくつかの物事がそろってある。みんな整っている。
        1. [初出の実例]「いたう進みぬる人の、命、さいはひとならびぬるは、いと難きものになん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)
    2. 力やわざなどの優劣がなく同じになる。匹敵する。同列になる。
      1. [初出の実例]「宝と見え、うるはしき事ならぶべき物なし」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    3. ことばがすらすらとよどみなく続く。
      1. [初出の実例]「小万さんのせりふがならばぬ故、ハアハア思うて大汗をかきました」(出典:歌舞伎・五大力恋緘(評釈江戸文学叢書所収)(1793)二幕)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 バ下二段活用 〙ならべる(並)

な・ぶ【並】

  1. 〘 他動詞 バ下二段活用 〙 ならべる。つらねる。
    1. [初出の実例]「日日(かが)那倍(ナベ)て夜には九夜(ここのよ)日には十日を」(出典:古事記(712)中)

並ぶの補助注記

「なべて」「なべての」の形で用いられることが多い。→なべて(並━)

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