大本(読み)オオモト

デジタル大辞泉 「大本」の意味・読み・例文・類語

おお‐もと〔おほ‐〕【大本】

物事の最も基本となるもの。根本こんぽん。根源。「この言葉の大本の意味」
[類語]基礎基本根本基盤根底基幹基部基底大根根幹中心基軸基調もとい土台下地初歩いろはABC重要重点かなめ中軸枢軸主軸主体中枢中核要石かなめいしキーストーン

たい‐ほん【大本】

基礎になるもの。おおもと。
ここが家内の治る―とも謂つべく」〈紅葉・二人女房〉
[類語]根本大本おおもと大根おおねもと根元ねもと根底基底根基根幹基本本質根源本源基礎基盤基幹基部

おお‐ほん〔おほ‐〕【大本】

美濃紙みのがみ二つ折りにした判の大形の和本。

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精選版 日本国語大辞典 「大本」の意味・読み・例文・類語

たい‐ほん【大本】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「だいほん」とも ) 根本となるもの。第一の基本。おおもと。
    1. [初出の実例]「摠是天下歓予之一端。国家福祚之大本也。不懇欵」(出典本朝文粋(1060頃)六・申従三位状〈菅原文時〉)
    2. 「今澆末の風に向て大本の遠を見るに、政道は棄れて無に似たり」(出典:太平記(14C後)三九)
    3. [その他の文献]〔礼記‐中庸〕

おお‐ほんおほ‥【大本】

  1. 〘 名詞 〙 大型の書籍江戸時代美濃紙以上の大きさの料紙を二つ折りにして袋綴じにした判型の本。
    1. [初出の実例]「要するに、小本に喜ばるべき条件は即ち大本に喜ばるる条件で、形に大小の別があるだけの事だ」(出典:春城随筆(1926)〈市島春城〉趣味談叢)

おお‐もとおほ‥【大本】

  1. 〘 名詞 〙 物事の根本になるもの。たいほん。おおね。
    1. [初出の実例]「実地の有様を見ず、又その大本(オホモト)を知らぬゆゑでござる」(出典:開化問答(1874‐75)〈小川為治〉初)

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改訂新版 世界大百科事典 「大本」の意味・わかりやすい解説

大本 (おおほん)

書物形態をいう書誌学用語。〈だいほん〉ともいう。(1)美濃紙二つ折りの大きさのもの。おおよそ縦26~27cm,横18~19cm。江戸前期の仮名草子西鶴本,あるいは江戸中期ころまでの漢詩文集,和歌和文集などは主としてこの形態をとる。美濃本とも。(2)美濃本より大きい形態のもの。大型本とも称せられる。
小本こほん) →中本(ちゅうほん) →横本
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

知恵蔵 「大本」の解説

大本(おおもと)

出口なお(1836〜1918)を開祖とし、出口王仁三郎(おにさぶろう)(1871〜1948)を聖師とする新宗教。1892年旧正月、なおは突然神がかりし、その後、艮(うしとら)の金神の言葉を伝えるようになる。そして、世の中の「立替え立直し」(根本的な変革)を説く「筆先」を書き始める。「筆先」とは、神の言葉を自動筆記したものである。98年、なおは上田喜三郎と出会い、翌年に金明会(すぐに金明霊学会と改称)を結成する。上田はなおの五女と結婚し、出口王仁三郎となる。終末予言を中心とする活動や台湾布教、新聞社の買収などが原因で、1921年に大規模な弾圧を受け、王仁三郎や幹部が検挙される。35年には、不敬罪と治安維持法違反で、再び大規模な弾圧を受け、本部が破壊される。戦後、大本として再出発、現在に至る。京都府亀岡市に本部を置く。信者数は公称約17万人。生長の家や世界救世教を始め、その後の新宗教教団にも大きな影響を及ぼした。

(岩井洋 関西国際大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

普及版 字通 「大本」の読み・字形・画数・意味

【大本】たいほん

根本。

字通「大」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の大本の言及

【大本教】より

…さらに長女が発狂してまもない92年1月5日,なおは突然神がかりし,〈三千世界一度に開く梅の花,艮(うしとら)の金神の世になりたぞよ〉と口走り,世の中の立直しを叫んだ。なおは病気治しを中心に宗教活動をすすめ,そのなかで,大本教の教義の原典ともいうべき〈筆先〉の執筆にあたった。94年,なおは金光教の布教師となり,いわば金光教の軒を借りて布教活動をつづけたが,のちに決別して,大本教を独立させた。…

【大本】より

…書物の形態をいう書誌学用語。〈だいほん〉ともいう。(1)美濃紙二つ折りの大きさのもの。おおよそ縦26~27cm,横18~19cm。江戸前期の仮名草子や西鶴本,あるいは江戸中期ころまでの漢詩文集,和歌和文集などは主としてこの形態をとる。美濃本とも。(2)美濃本より大きい形態のもの。大型本とも称せられる。小本(こほん)中本(ちゅうほん)横本【宗政 五十緒】…

【判型】より

…半紙を用い,長辺を二つ折りにした大きさの本(250mm×170mm)を半紙判または半紙本という。また,美濃本より大きい形の本を大本(おおほん)といい,美濃本の半分の大きさの本を中本(ちゆうほん),半紙本の半分以下の大きさの本を小本(こほん)という。ほかに,枡(ます)のように正方形または正方形に近い形の枡形本がある。…

【美濃本】より

…美濃本と並んで多いのは〈半紙本〉であるが,これは大奉書紙(縦1尺3寸,横1尺7寸5分(394mm×530mm))を半截した半紙二つ折りの大きさで,美濃本よりひとまわり小さい。また,美濃本よりも大きい本は大本(おおほん)といい,美濃本の半分は中本(ちゆうほん),半紙本の半分およびそれ以下を小本(こほん)という。枡型本(ますがたぼん)豆本【竹上 深】。…

※「大本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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