審判(法律)(読み)しんぱん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「審判(法律)」の意味・わかりやすい解説

審判(法律)
しんぱん

法律上次のような各種の意義がある。

(1)訴訟における審理裁判、または審理と判決のこと。訴訟における審判は公開の法廷で行われるのが原則である。裁判所は審判の請求を受けた事件について裁判をしなければならず、審判の請求を受けない事件について判決をしてはならない(刑事訴訟法378条3号)。付審判決定があったときは、その事件について公訴の提起があったものとみなされる(同法267条)。

(2)家庭裁判所家事事件手続法で定める家庭に関する事件および少年法で定める少年の保護事件について行う手続をいう。家事事件手続法では、決定の意味でも用いられる。

(3)行政機関が前審として争訟を審理・裁定する手続をいうこともある。たとえば、独占的状態があると認められる場合に、公正取引委員会が当該事件について行う審判手続を開始するような場合である。

[内田一郎]

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百科事典マイペディア 「審判(法律)」の意味・わかりやすい解説

審判(法律)【しんぱん】

訴訟法学では,審理・裁判の略称として用いるが,他方,家庭裁判所が家庭事件や少年事件についてする手続や,行政機関が前審として争訟を審理・裁断する手続(特許審判海難審判や公正取引委員会の行う審判など)も審判という。さらに家事審判では,そこでなされる決定も審判と呼ぶ。
→関連項目強制調停準起訴手続少年鑑別所犯罪少年非常上告保護処分

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