(読み)ケイ

デジタル大辞泉 「景」の意味・読み・例文・類語

けい【景】[漢字項目]

[音]ケイ(漢) エイ(漢)
学習漢字]4年
〈ケイ〉
日の光。ひかげ。「返景
眺め。景色けしき。「景観景勝景物遠景佳景光景叙景絶景点景背景風景夜景
ありさま。ようす。「景況情景
仰ぎ慕う。「景仰けいこう景慕
大きい。「景福
〈エイ〉(「」と通用)写真。「景印」
[名のり]あきら・かげ・ひろ

けい【景】

[名]景色。ながめ。その場のありさま。「白一色の冬山
[接尾]助数詞演劇で、幕をさらに細かく分けた場面を数えるのに用いる。「二幕三
[類語]景色風景風光風色ふうしょく景観景色けいしょく景趣眺望眺め見晴らしパノラマ風物近景遠景美観壮観大観

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精選版 日本国語大辞典 「景」の意味・読み・例文・類語

けい【景】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 日の光。日光。日ざし。
      1. [初出の実例]「夕陽西傾、其景不公卿座」(出典:玉葉和歌集‐承安四年(1174)七月二七日)
      2. [その他の文献]〔陶潜‐帰去来辞〕
    2. 見わたしたありさま。けしき。光景。風景。ながめ。
      1. [初出の実例]「雪中の景(ケイ)をぞ興ぜさせ給ける」(出典:太平記(14C後)一七)
      2. 「編輯局の一角は、農家の夜なべのような景を呈し」(出典:記念碑(1955)〈堀田善衛〉)
      3. [その他の文献]〔謝朓‐将遊湘水尋句渓詩〕
    3. 興を添えるもの。
      1. [初出の実例]「三絃(いと)の、景(ケイ)のと独り忙はしげに立廻れり」(出典:寝白粉(1896)〈小栗風葉〉三)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 劇などの場面。いくつかに分けた場面の一つ。ふつう、大きく「幕」に分け、幕の中をさらに「景」に細分する。

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普及版 字通 「景」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] ケイ・エイ
[字訓] ひかり・かげ・あきらか

[説文解字]

[字形] 形声
声符は京(けい)。〔説文〕七上に「光なり」とし、京声とする。〔周礼、地官、大司徒〕に「日景を正して、以て地の中を求む」と日景測量のことをいい、地上千里にして日景に一寸の差があるという。京がもし京門を意味するとすれば、それを日景観測に用いることも考えられる。卜辞に磬京(けいけい)・義京の名があり、京はアーチ状の軍門、その配置のしかたによって観測の方法も可能であろうが、詳しいことは知られない。卜辞に「五百四旬七日」という日数の表示があり、それは一年半の日数五四七・八七五日に相当する。当時日景による日数測定の法があったのであろう。〔周礼〕にみえる日圭の法は、方位や距離の測定に用いたものであろう。

[訓義]
1. ひかり、ひざし、日光。
2. 光によって作られる明暗、かげ、影。
3. 光に照らし出される、あきらか、けしき、ようす、おもむき、光を仰ぐ。
4. 京と通じ、大きい。
5. 勍と通じ、つよい。
6. 慶と通じ、めでたい。

[古辞書の訓]
名義抄〕景 オホキナリ・カゲ・ヒカリ・ヒノエ・テラス・ネガフ・ウツス・オモハカル・オモハカリ/景行 ココロバセ 〔字鏡集〕景 オモハカリ・カゲ・ヒカリ・ウツス・オホキナリ・カタチ・テラス・アキラカ・ネガフ・ヒノエ

[声系]
〔説文〕に景声として憬の一字を収め、・影などは未収。影は〔玉〕に至って「形影なり」とみえる。憬は〔説文〕十下に「覺寤(かくご)するなり」という。〔詩、魯頌、水〕「憬たる彼の淮夷」の〔伝〕に「行の貌なり」とみえるが、その字は〔韓詩〕にに作り、その字の義であろう。

[語系]
景・(鏡)kyangは同声。影yang、光kuang、鑑keam、また・晃huang、hyuengもその系列の語で、みな光の反射や光彩に関する語である。京kyang、勍gyang、慶khiungも通用の義がある。

[熟語]
景印・景響・景柱・景表・景雲・景運・景炎・景観・景気・景輝・景況・景業・景仰・景功・景候・景行・景光・景刻景昏景山・景止・景趣・景従・景宿・景勝・景象・景状・景色景瑞・景数・景星・景夕景迹景祚景昃・景致・景地景徴・景倒景附・景風・景福・景物・景慕・景・景命・景明・景滅景曜・景・景耀
[下接語]
雲景・煙景・遠景・佳景・遐景・外景・近景・孤景・後景・光景・好景・三景・詩景・実景・借景・淑景・春景・叙景・小景・勝景・情景・場景・晨景・夕景・雪景・絶景・全景・前景・点景・添景・倒景・日景・背景・八景・晩景・美景・風景・返景・暮景・夜景・流景・良景・麗景・和景

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