東海(市)(読み)とうかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東海(市)」の意味・わかりやすい解説

東海(市)
とうかい

愛知県知多半島西岸にある工業都市。1969年(昭和44)上野(うえの)、横須賀(よこすか)の2町が合併して市制施行。名古屋鉄道常滑(とこなめ)線、河和(こうわ)線が通じる。また、国道155号、247号、302号、伊勢湾岸(いせわんがん)自動車道、知多半島道路が通じる。大府、東海の各インターチェンジ(伊勢湾自動車道)があり、大府東海インターチェンジ(知多半島道路)が近い。地形は東側が丘陵、西側は海岸線に沿って沖積低地が広がる。横須賀の海岸は遠浅で馬走瀬(まはせ)ヶ浦とよばれ、漁業、とくにノリ養殖が盛んであった。1960年に伊勢湾台風の復興事業と並行して埋立てが始まり、重化学工業群が立地し、名古屋南部臨海工業地帯を形成している。横須賀には尾張(おわり)2代藩主徳川光友(みつとも)のつくった横須賀御殿もあり、当時、海の湯治場として栄えた。上野地区は尾張藩校明倫堂督学であった細井平洲(へいしゅう)の生地で、平洲ゆかりの遺品を展示する平洲記念館がある。東側の丘陵上ではミカン・野菜栽培が行われ、海岸の砂丘地帯ではタマネギ、トマトなどが生産される。そのほか、フキや洋ラン栽培も盛んである。面積43.43平方キロメートル(境界一部未定)、人口11万3787(2020)。

[伊藤郷平]

『『東海市史』全10冊(1971~1993・東海市)』


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