精選版 日本国語大辞典「眉」の解説
まゆ【眉】
〘名〙
① まぶたの上部、眼窩の上縁部にあたる所に弓状にはえている毛。まよ。まゆげ。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※源氏(1001‐14頃)若紫「つらつきいとらうたげにて、まゆのわたりうちけぶり」
② まゆずみ。
※承安二年広田社歌合(1172)「むこの海をなぎたる朝に見渡せばまゆも乱れぬ阿波の島山〈藤原実定〉」
※浄瑠璃・菅原親王(1661)三「げんじの者共がゑいぐゎのまゆを打やぶらん」
④ 何かの上に、眉のように張り出したものをいう語。
(イ) 烏帽子の部分の名。前の中、とがっているひだの下に高く押し出している所。
(ロ) 牛車の部分の名。屋形の前後の軒。
※大鏡(12C前)六「一の車の口のまゆに香嚢かけられて」
⑤ 眉のような三日月形をしたものをいう語。虹梁(こうりょう)または破風板などの下方の繰形(くりがた)。欠眉(かきまゆ)、抉眉(くじりまゆ)、出入眉、薙眉(なぎまゆ)、蛭眉(ひるまゆ)などがある。
※玉塵抄(1563)一四「
と云へども戸の上のまゆ柱など式の家のやうにないぞ」

⑥ 伊勢船造りの箱型船首の装飾で、船首両側上棚の下部に細長く眉状に黒く塗るもの。
※川船荷方伊勢船秘書(1708)伊勢船之覚書「まゆの仕様は〈略〉まゆふちの上よりあをりの下までぬる也」
まよ【眉】
〘名〙 「まゆ(眉)」の古形。
※正倉院文書‐天平一二年(740)越前国江沼郡山背郷計帳「弟江沼臣族牛麻呂〈略〉左目用尾疵」
まみ【眉】
〘名〙 まゆ。まゆげ。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報