(読み)ビ

  • ▽眉
  • まみ
  • まみえ
  • まゆ
  • まよ
  • 漢字項目

デジタル大辞泉の解説

常用漢字] [音](漢) (呉) [訓]まゆ
〈ビ〉まゆ。「眉宇眉目蛾眉(がび)愁眉焦眉拝眉白眉柳眉
〈ミ〉まゆ。「眉間(みけん)
〈まゆ〉「眉毛眉根
[難読]眉目(みめ)
まゆ。まゆ毛。
眉毛(まゆげ)」に同じ。
「細面に―の判然(はっきり)映る女である」〈漱石それから
《「まよ」の音変化》
目の上に弓状に生えている毛。まゆげ。「をひく」
近世の烏帽子(えぼし)の前面下部の中央、とがったひだの下のやや出っぱった所。
牛車(ぎっしゃ)屋形の出入口上部にある軒。
伊勢船造の箱型船首の装飾で、船首両側棚の下部に細長く眉状に黒く塗るもの。
虹梁(こうりょう)破風板などの下につけた装飾的な彫り込み。断面がレ字形の欠き眉、S字状の出入り眉、浅い円弧状の薙(な)ぎ眉などがある。
[下接語]糸眉遠山の眉描(か)き眉蚰蜒(げじげじ)眉毛虫眉地蔵眉高眉作り眉殿上眉八字眉引き眉棒眉細眉三日月眉柳の眉連山の眉
まゆ」の古形。
「―のごと雲居に見ゆる阿波の山かけて漕ぐ舟泊まり知らずも」〈・九九八〉

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百科事典マイペディアの解説

眉毛。まぶたの上部,ほぼ眼窩(がんか)上縁に沿って弓形に密集してはえる毛。ヒト以外の動物では見られず,汗が目にしたたるのを防ぐといわれる。毛の寿命は短く,あまり長くならない。中国では古くから眉作りが行われ,隋代には長蛾眉(ちょうがび)が流行,日本でも奈良時代に行われた。平安時代以後は貴族の婦人は眉毛を抜き,額に墨で太い眉を描いた。民間では貞潔のしるしに既婚婦人が眉をそり落とす風があった。→眉墨

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世界大百科事典 第2版の解説

人の眼窩上縁を覆う皮膚の部分に密生する毛の集合を眉といい,その毛を眉毛brows,eyebrowsという。眉は眼窩部の上縁と額の下縁とを境している。眉を動かすのは前頭筋,皺眉筋,眼輪筋鼻根筋で,これらの表情筋単独または協同して作用することにより,眉の表情がつくられる。眉毛のほとんどは直毛で,毛の生える方向,すなわち毛流は多くの場合二つある。一つは額から外下方に,他の一つは上まぶたから外上方に向き,この両者が重なる部分が最も濃くみえる。

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大辞林 第三版の解説

まゆ。まゆげ。
まゆ。まゆげ。
まぶたの上部に弓形に生えている毛。眉毛。まよ。
破風や虹梁こうりようの下端に沿って彫られた弓形の刳り形。弓眉・剣眉など。
烏帽子えぼしの正面の、くぼませた上に出る横皺じわ
牛車ぎつしやの屋形の出入り口上部の、突き出た部分。 → 牛車
遠くにかすんだ連山。眉墨。 -も乱れぬあはの島山/広田社歌合
伊勢船造りの船首の両側にある眉形の装飾。
「まゆ(眉)」の古形。 -のごと雲居に見ゆる阿波の山かけて漕ぐ舟泊まり知らずも/万葉集 998

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

上眼瞼(じょうがんけん)の上部で、上眼窩(じょうがんか)の真上にあたるところに弓状になって生えている毛で、眉毛ともいう。毛の長さは7~11ミリメートル。眉の位置にほぼ相当する左右の上眼窩縁の高まりの線を眉弓(びきゅう)とよび、その長さは5~6センチメートルである。眉毛の形状は人種や年齢によって多少の違いがある。眉部の皮膚は前頭筋、眼輪筋、皺眉筋(しゅうびきん)などの作用で動き、顔のいろいろな表情を表すが、その生理的意義は明らかではない。なお、眉墨(まゆずみ)の略語として眉の表現が用いられることもある。[嶋井和世]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 まゆ。まゆげ。
〘名〙
① まぶたの上部、眼窩の上縁部にあたる所に弓状にはえている毛。まよ。まゆげ。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※源氏(1001‐14頃)若紫「つらつきいとらうたげにて、まゆのわたりうちけぶり」
② まゆずみ。
※承安二年広田社歌合(1172)「むこの海をなぎたる朝に見渡せばまゆも乱れぬ阿波の島山〈藤原実定〉」
③ (眉は感情が端的に表われるところなので) 喜怒哀楽の情。→眉を開く眉を読む
※浄瑠璃・菅原親王(1661)三「げんじの者共がゑいぐゎのまゆを打やぶらん」
④ 何かの上に、眉のように張り出したものをいう語。
(イ) 烏帽子の部分の名。前の中、とがっているひだの下に高く押し出している所。
(ロ) 牛車の部分の名。屋形の前後の軒。
※大鏡(12C前)六「一の車の口のまゆに香嚢かけられて」
⑤ 眉のような三日月形をしたものをいう語。虹梁(こうりょう)または破風板などの下方の繰形(くりがた)。欠眉(かきまゆ)、抉眉(くじりまゆ)、出入眉、薙眉(なぎまゆ)、蛭眉(ひるまゆ)などがある。
※玉塵抄(1563)一四「と云へども戸の上のまゆ柱など式の家のやうにないぞ」
⑥ 伊勢船造りの箱型船首の装飾で、船首両側上棚の下部に細長く眉状に黒く塗るもの。
※川船荷方伊勢船秘書(1708)伊勢船之覚書「まゆの仕様は〈略〉まゆふちの上よりあをりの下までぬる也」
〘名〙 「まゆ(眉)」の古形。
正倉院文書‐天平一二年(740)越前国江沼郡山背郷計帳「弟江沼臣族牛麻呂〈略〉左目用尾疵」

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