普及版 字通 「臣(漢字)」の読み・字形・画数・意味
臣
常用漢字 6画
[字訓] つかえる・おみ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
目をあげて上を見る形。大きな瞳を示す。〔説文〕三下に「牽(ひ)かるるなり」と、臣・牽(けん)の音の関係を以て解するが、両者の間に声義の関係はない。また字形について「君に事(つか)ふるなり。屈する形に象る」(段注本)とするが、字は卜文の(望)に含まれる形と同じく、上方を見る目の形である。金文にみえる小臣は王族出自の者で、聖職に従い、臣を統轄する。臣は多く神事に従い、もと異族犠牲や神の徒隷たる者を意味した。宮につかえる者を臣工といい、〔詩、周頌〕に〔臣工〕の一がある。金文の賜与に「臣三品」のようにいうのは、出自の異なる者三種をいう。また「臣十家」のようにいうのは、一般の徒隷と異なるものであろう。のち出自や身分に関することなく、他に服事するものをいう。
[訓義]
1. つかえる、神につかえる、祭事につかえる。
2. おみ、けらい、しもべ。
3. めしうど、とりこ。
4. たみ、人民。
5. 臣下の自称。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕臣 日本紀私記に云ふ、夜加禮(やつかれ)〔名義抄〕臣 ヤツナシ・ヤトナシ・シタガフ・アヅカル・ヒト・オム・オホム・フス/大臣 オホイマウチキミ/大政大臣 オホマツリゴトノオホマヘツキミ 〔字鏡集〕臣 ヤツカレ・キミ・シケ・カタシ・ナム・アツカル・ヲホム・オモハク・シタガフ
[部首]
〔説文〕〔玉〕に・臧の二字を属する。〔説文〕三下には臣を左右相乖(そむ)く形に配し、「乖くなり」と訓し、誑の声でよむ。誑惑(きようわく)の意。臧は「善なり」と訓するが、もと臧獲(ぞうかく)の意で奴隷。虜囚を戈(ほこ)で清める意の字である。
[声系]
〔説文〕に臣声として・・など七字を収める。(ぎん)や(し)は声が異なり、会意の字である。
[熟語]
臣役▶・臣下▶・臣宦▶・臣御▶・臣工▶・臣佐▶・臣宰▶・臣子▶・臣事▶・臣従▶・臣庶▶・臣妾▶・臣人▶・臣節▶・臣属▶・臣道▶・臣服▶・臣伏▶・臣僕▶・臣民▶・臣虜▶・臣寮▶・臣僚▶・臣礼▶・臣隷▶
[下接語]
遺臣・王臣・下臣・家臣・外臣・姦臣・諫臣・逆臣・旧臣・近臣・君臣・勲臣・群臣・権臣・賢臣・虎臣・孤臣・功臣・倖臣・讒臣・史臣・侍臣・儒臣・重臣・従臣・小臣・人臣・世臣・争臣・賊臣・大臣・逐臣・忠臣・朝臣・臣・妬臣・佞臣・陪臣・反臣・微臣・武臣・嬖臣・輔臣・亡臣・謀臣・名臣・臣・乱臣・良臣・隷臣・老臣
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報