(読み)ルイ

デジタル大辞泉 「類」の意味・読み・例文・類語

るい【類】[漢字項目]

[音]ルイ(呉)(漢) [訓]たぐい
学習漢字]4年
互いに似た性質でまとめられるものの集まり。たぐい。「類別衣類魚類穀類種類書類生類しょうるい親類人類鳥類党類糖類同類部類分類
似ている。似たもの。「類義・類型類似類書類例類人猿比類無類
同じ目にあう。まきぞえを食う。「類火類焼
[名のり]とも・なし・よし

るい【類】

互いに似ていること。同じ種類のものであること。また、そのもの。「ビタミンが欠乏する」「ことにする」「古今を見ない出来事
生物の分類上のこうもくなどに相当するひとまとまり。「哺乳」「霊長
類概念」の略。
一族。一門。親類。
いかめしく―ひろく、むすめがちにて」〈・須磨〉
[類語]ジャンル種類品種範疇たぐい

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精選版 日本国語大辞典 「類」の意味・読み・例文・類語

るい【類】

  1. 〘 名詞 〙
  2. たがいに似ていること。種類が同じであること。また、そのもの。同類。なかま。たぐい。ともがら。名詞について接尾語のようにも用いられる。
    1. [初出の実例]「たつはなるかみのるいにこそ有けれ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 「至極の所古今その物がたりを聞つたへて、其類(ルイ)を是に集る物ならし」(出典:浮世草子・武家義理物語(1688)序)
    3. [その他の文献]〔書経‐舜典〕
  3. 一家。一族。一門。親戚縁者。やから。
    1. [初出の実例]「まゐらんとするに、をりなきるいのあれからなん」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
    2. 「此の乳母の類也ける僧の有けるを尋て」(出典:今昔物語集(1120頃か)一六)
  4. 動植物の分類で、綱・目の代わりに用いる語。〔生物学語彙(1884)〕
  5. 数学で、集合の元を互いに同値なもの同士に組分けしたときの組のこと。同値類ともいう。
  6. るいがいねん(類概念)教育心理・論理術語詳解(1885)〕

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普及版 字通 「類」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 18画

(旧字)
人名用漢字 19画

[字音] ルイ
[字訓] まつり・にる・たぐい

[説文解字]

[字形] 会意
旧字はに作り、米+犬+頁(けつ)。米と犬とは神に供えるもの。頁は儀礼のときの儀容で、とは天を祭る祭名。その字はのちに作る。〔説文〕十上に「種相ひ似たり。唯だ犬を甚だしと爲す。犬に從ひ、(らい)聲」とするが、犬は犬牲。天を祭るのには、犬を焼いて、その臭いを昇らせた。〔書、舜典〕「肆(ここ)に上す」、〔詩、大雅、皇矣〕「是(ここ)にし是に(ば)す」など、みな天を祭ることをいう。〔皇矣〕にまた「克(よ)くにして克く」のように、類善の意に用いる。天意にかなうということであるらしく、〔楚辞、九章、懐沙〕「吾(われ)將(まさ)に以て(のり)と爲さんとす」のように、典則・規範の意ともなる。倫と声義の関係があろう。〔段注〕にとを古今の字とし、「種の多なること、米の如きなり」とするが、当時の米がそのように多種であったとは考えがたい。類の原義は、のち形声字の(るい)によって示されている。

[訓義]
1. まつり、天のまつり。
2. よい、のり、かたどる、すがた。
3. にる、たぐい、たぐえる、もろもろ
4. おおむね、みな、ひとしい。

[古辞書の訓]
名義抄 トモガラ・タネ・ニタリ・ゴトシ・シナ・タグヒ・ヨシ・オホムネ・ワルイ

[語系]
liut、倫liunは声義の関係があり、比類・比倫のようにいう。〔列子、仲尼〕に「(そむ)き倫に反す」の語がある。類善の意はあるいは賚l(頼)latと関係のある用義であろう。

[熟語]
類縁・類化類家類隔・類型・類見・類祭・類次・類似・類事・類集類聚・類従・類書類推・類族・類同・類物・類別・類例
[下接語]
異類・遺類・一類・引類・姻類・縁類・姦類・気類・器類・義類・魚類・凶類・群類・類・儕類纂類・残類・士類・史類・事類・失類・殊類・種類・醜類・従類・出類・庶類・生類・触類・親類・人類・絶類・善類・族類・畜類・蟄類・儔類・鳥類・党類・等類・同類・類・抜類・万類・比類・品類・不類・部類・物類・分類・朋類・無類・毛類・与類・余類・乱類・僚類・倫類・連類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「類」の意味・わかりやすい解説


るい

伝統的論理学で、一つの概念Aが、もう一つの概念Bを包むとき、AをBの類概念、BをAの種(しゅ)概念とよぶ。また、それぞれの概念の外延を、互いに類classと種とよぶ。たとえば、動物は人間に対し類であり、人間は動物に対し種である。また、動物は生物に対し種speciesであり、生物は動物に対し類である。このように類と種とは相対的な概念である。集合のことばでいうと、一つの集合と、その部分集合ないし元(げん)との関係が、類と種との関係になる。とくに生物学などでの分類には、類と種との関係が盛んに使われる。

 公理的集合論では、より大きな集合の元となりうる普通の集合を狭義の集合とよび、元をもちうるが、それを集めても集合をつくることができないような大きな集合と、この狭義の集合とをあわせたものを類とよぶ。これは、抽象の原理、すなわち、「一つの条件を満たすものの全体が一つの集合をなす」を乱用すると矛盾がおこるので、これを防ぐために考えられた区別である。

 類や種に、個物と同様な実在性を認めるかどうかという問題は、いわゆる普遍の問題になる。

[吉田夏彦]

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