一期一会(読み)イチゴイチエ

デジタル大辞泉 「一期一会」の意味・読み・例文・類語

いちご‐いちえ〔‐イチヱ〕【一期一会】

《「山上宗二記」の中の「一期一度の会」から》茶の湯で、茶会毎回一生に一度だという思いをこめて、主客とも誠心誠意、真剣に行うべきことを説いた語。転じて、一生に一度しかない出会い。一生に一度かぎりであること。
[補説]書名別項。→一期一会
[類語]会う出会う出くわす行き合う巡り合う出会しゅっかいする邂逅かいこうする遭遇する鉢合わせする来合わせる再会する・居合わせる通り合わせる乗り合わせる出会い一緒になる際会する又と無い又無いたぐいまれ又と二度と二度と再びめった千載一遇得難いまれかけがえのない希有けう盲亀もうき浮木ふぼく見せ場決め所思いがけない思いがけず待てば甘露の日和ひよりあり折よく僥倖ぎょうこうここぞ一世いっせ一代最初で最後図らずも決定的瞬間契機

いちごいちえ【一期一会】[書名]

網野菊による随筆風の小説。昭和41年(1966)、引退興行を終えて向かった四国巡礼旅先で入水自殺した歌舞伎俳優、8代目市川団蔵への追想。昭和42年(1967)刊行。第19回読売文学賞受賞。

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共同通信ニュース用語解説 「一期一会」の解説

一期一会

一期一会いちごいちえ 一生に一度だけの出会い、という意味。元は、茶道さどうで大切にされている心がまえで、茶会ちゃかいは毎回、一度きりと思って真心をこめて行う大切さを説くもの。安土桃山あづちももやま時代の有名な茶人千利休せんのりきゅう(1522~91年)の考えといわれている。

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精選版 日本国語大辞典 「一期一会」の意味・読み・例文・類語

いちご‐いちえ‥イチヱ【一期一会】

  1. 〘 名詞 〙 ( 安土桃山時代の茶人で、千利休弟子であった宗二の著「山上宗二記‐茶湯者覚悟十体」にある「一期に一度の会」から ) 一生に一度会うこと。また、一生に一度限りであること。
    1. [初出の実例]「抑茶湯の交会は、一期一会といひて〈略〉実に我一世一度の会なり」(出典:茶湯一会集(1845頃))

一期一会の語誌

茶道書で、茶室での交会心構え態度を示す語句として発生し、後、人との出会いを大切にするという意の一般語として用いるようになった。

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四字熟語を知る辞典 「一期一会」の解説

一期一会

一生に一度会うこと。また、一生に一度限りであること。

[使用例] 再びこの初老婦人と逢うことはないであろうと節子は思った。〈略〉毎日が文字通り一期一会なのであった[郷静子*れくいえむ|1973]

[使用例] 「この仏さん、名前何ちゅうねん」「よろしがなそんなこと。一期一会の縁ですがな、うちはまだ後始末ありますよってな、お先へどうぞ」[野坂昭如*砂絵呪縛後日怪談|1972]

[解説] 茶道の心得から来たことば。安土桃山時代の茶人で、千利休の弟子であった宗二の著「山上宗二記―茶湯者覚悟十体」にある「一期に一度の会」によっています。茶道では、一生に一度の会であるから心をこめてもてなせ、ということ。のち、人との出会いを大切にするという意の一般語として用いるようになりました。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「一期一会」の意味・わかりやすい解説

一期一会
いちごいちえ

茶道の精神性を説いた用語の一つ。今日の一会は生涯に二度とない会だと思い、主客ともに親切実意をもって交わることが肝要であるという心得を教えたもの。『山上宗二記(やまのうえそうじき)』に「路地ヘ入ルヨリ出ヅルマデ、一期ニ一度ノ会ノヤウニ、亭主ヲ敬(うやま)ヒ畏(かしこまる)ベシ」とあるのを初見とし、『南方録』の「一座一会」に継承される。さらに、井伊直弼(なおすけ)は『茶湯一会集』で「一期一会」の語を使って、その精神を強調した。

[筒井紘一]

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デジタル大辞泉プラス 「一期一会」の解説

一期一会

日本のポピュラー音楽。歌は女性演歌歌手、田川寿美(としみ)。2014年発売。作詞:いではく、作曲:幸耕平。

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世界大百科事典(旧版)内の一期一会の言及

【茶道】より

…それを茶道のもつ虚構性とか非日常性といった言葉で呼んでよいだろう。たとえば茶会を一期一会という言葉でとらえようとする考えがある。一期とは人間の一生のことで,茶会は一生に一度の出会いの場と考え,一つ一つの茶会をたいせつにしようとする思想が表現されている。…

※「一期一会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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