(読み)コウ

デジタル大辞泉 「甲」の意味・読み・例文・類語

こう【甲】[漢字項目]

常用漢字] [音]コウ(カフ)(呉)(漢) カン(慣) [訓]きのえ よろい かぶと
〈コウ〉
十干の第一。きのえ。「甲子華甲
順位で第一位。「甲乙甲種
表面を覆う堅いもの。こうら・よろいなど。「甲殻甲板こうはん甲羅亀甲きっこう装甲
(「胛」の代用字)かいがらぼね。「肩甲骨
甲斐かい国。「甲州甲信越
〈カン〉
表面を覆う物。「甲板かんぱん
高い音声。「甲高
〈かぶと〉「甲虫
[名のり]か・かつ・き・まさる
[難読]甲比丹カピタン

こう〔カフ〕【甲】

よろい。かぶと。
カメやカニの体を覆う硬い殻状のもの。こうら。「亀のより年の劫」
手や足のおもての面。手首から先の上側の部分(手の甲)と、足首から先の、地面に接しない部分(足の甲)。
十干の第一。きのえ。
成績などの第一位。「殊勲の働き」「種合格」
複数の物や人を区別するときに、その名の代わりとして用いる語。「旧制高校の文科類」

かり【甲/上】

《動詞「か(上)る」の連用形から》邦楽で、音の高さを上げること。特に、尺八でいう。かん。⇔めり

かん【甲】

邦楽で、高い音域の音。また、調子の高い音。⇔おつ

き‐の‐え【甲】

《「木の」の意》十干の1番目。こう。

かん【甲】[漢字項目]

こう

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精選版 日本国語大辞典 「甲」の意味・読み・例文・類語

こうカフ【甲】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. よろい。転じて、兜(かぶと)。〔新訳華厳経音義私記(794)〕〔孟子‐梁恵王・上〕
    2. 表面の堅い部分。
      1. (イ)(かめ)、蟹(かに)などの体の外部をおおっている堅い殻。こうら。〔十巻本和名抄(934頃)〕
        1. [初出の実例]「古川の底のこひぢにありと聞く亀のこふとも知らせてしかな」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)三)
        2. [その他の文献]〔大戴礼記‐易本命〕
      2. (ロ)べっこう(鼈甲)」の略。
        1. [初出の実例]「此笄(かんざし)はこんだ挽(ひか)せやしたが、とんだ甲(コウ)がいいから、取てをきなされませんか」(出典:洒落本・青楼昼之世界錦之裏(1791))
      3. (ハ) 手足の爪。また、爪の形をしたもの。〔二十巻本和名抄(934頃)〕〔管子‐四時〕
      4. (ニ) 手足の外表面。手の甲。足の甲。
        1. [初出の実例]「若し大地を以て足の甲(コフ)の上に置きて、梵天に昇らむも」(出典:龍光院本妙法蓮華経平安後期点(1050頃)四)
      5. (ホ) 頭の骨。頭蓋骨。〔説文解字‐巻一四下・甲部〕
      6. (ヘ) 木の節。
        1. [初出の実例]「僧供は鉢、〈略〉きのこふにうけ帯袋にいる」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
    3. 琵琶、三味線など弦楽器の胴のふくらんだ部分。
      1. [初出の実例]「こうは紫藤のこう、〈略〉有明の月の出づるを撥面(ばちめん)にかかれたりけるゆゑにこそ」(出典:平家物語(13C前)七)
    4. 冠の磯(いそ)の上の広く平らな部分。
      1. [初出の実例]「一冠の前巾子と甲との間に横に引わたせるをあげ緒といふ」(出典:武家装束抄(1761)三(古事類苑・服飾二一))
    5. 下駄の台。
      1. [初出の実例]「下駄の台或は甲と云桐製を専とし」(出典:随筆・守貞漫稿(1837‐53)二七)
    6. 十干(じっかん)の第一番目。転じて物事の等級などを表わすのに用いる。
      1. (イ) 十干の第一番目。きのえ。
        1. [初出の実例]「剛日は甲丙戊庚壬也」(出典:史記抄(1477)三)
        2. [その他の文献]〔易経‐蠱卦〕
      2. (ロ) 物事の等級の第一位。最もすぐれていること。
        1. [初出の実例]「嵯峨野亭。其地勝絶。甲於城外之山庄」(出典:明衡往来(11C中か)中本)
        2. 「上下(うへした)ひっくるめて甲乙なしのドロビイ」(出典:滑稽本・八笑人(1820‐49)初)
        3. [その他の文献]〔戦国策‐魏策〕
      3. (ハ) 二つ以上の事物をさす時、その一つの名に代えて用いる記号。
        1. [初出の実例]「甲斬首五級。乙三級。丙四級」(出典:令義解(833)軍防)
        2. [その他の文献]〔史記‐万石君伝〕
      4. (ニ) 邦楽で高音をいう。かん。
        1. [初出の実例]「真都(しんいち)三重の甲(カウ)を上ぐれば、覚一(かくいち)初重の乙に収めて」(出典:太平記(14C後)二一)
    7. ( 形動 ) 強く勇猛なこと。また、そのさま。剛勇。
      1. [初出の実例]「度々合戦に心は甲にて有は」(出典:吾妻鏡‐文治元年(1185)四月一五日)
      2. 「きこゆる甲の者、大ぢから也ければ」(出典:平家物語(13C前)八)
  2. [ 2 ] 地名「かい(甲斐)」の略。

甲の補助注記

字音は「カフ」であるが、[ 一 ]の亀の甲、爪の甲などの場合は、「和名抄」に見えるように古くから「コフ」といったようである。「観智院本名義抄」「色葉字類抄」にも「コフ」とある。


かん【甲】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「甲(こう)」の日本での慣用音、唐音とする説もある ) 音楽で、音(ね)や声の高い調子。こう。
    1. [初出の実例]「甲はやる声の位、乙はもつこゑのくらゐなり」(出典:風曲集(1423頃))

甲の補助注記

邦楽用語としては、いろいろに使われる。( 1 )一般に調子が高い音。( 2 )基本音に対して一オクターブ高い音。( 3 )高い音域で歌う部分。( 4 )三味線の勘所(かんどころ)の一つ。( 5 )小鼓(こつづみ)の奏法の一つ。


き‐の‐え【甲】

  1. 〘 名詞 〙 ( 木の兄(え)の意 ) 十干(じっかん)の第一。こう。
    1. [初出の実例]「きのえ 双葉(ふたば)にてわがひき植ゑし松の木の枝さす春になりにけるかな」(出典:曾丹集(11C初か))
    2. [その他の文献]〔名語記(1275)〕

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普及版 字通 「甲」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

[字音] コウ(カフ)
[字訓] よろい・かぶと・きのえ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[その他]

[字形] 象形
卜文・金文に十字形に作るものがあり、もと亀甲の(さ)けている形に象るものであろう。〔説文〕十四下に「東方の孟(はじ)めなり。昜(陽)气(やうき)動す。木の孚甲(ふかふ)(若芽)を戴くの象に從ふ」と、五行説を以て解するが、小篆の字形によって説くもので、字の初形に合わない。また一説として「甲は人頭に象る」、また古文の字形について「十に始まり、千に見(あら)はれ、木にるの象」とするが、卜文・金文の字形よりいえば、亀版の中央を走る千里路と、これに交叉する横の縫線(ほうせん)をとるもので、まれに田字形に作るものがあるのは、亀版の全形を加えたものであろう。すなわちその甲羅の形。それより、甲冑・甲衣の意となる。十干においてその首にあり、五行では甲乙は木、甲はすなわち「木の兄(え)」という。乙は獣骨の象。十干は対待五組で構成され、甲乙は亀甲・獣骨を組んだものとみられる。

[訓義]
1. かめの甲、こうら。
2. よろい、かぶと、武装、よろい武者。
3. から、草木のさや、ころも。
4. あたま、されこうべ。
5. 五行の首、きのえ。
6. はじめ、もと。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕甲 與路比(よろひ) 〔字鏡集〕甲 キノエ・ツメノコフ・ツメ・マサル・カサナル・ヨロヒ・ナレタリ・ナラヘリ・スグレタリ・ユクオト

[声系]
〔説文〕に甲声として・狎・閘・匣など六字を収める。・匣は、亀甲がものを蔵する意をとる字である。

[語系]
甲keap、介keatは声義近く、甲冑の類をいい、また介虫の類をいう。・匣heapは甲の声義をとり、篋khyap、函hamも声義に通ずるところがあって、一系をなす語である。

[熟語]
甲子・甲冑・甲衣・甲乙・甲貨・甲科・甲械・甲鎧・甲革・甲殻・甲干・甲館・甲観・甲騎・甲妓・甲魚・甲金・甲庫・甲札・甲士・甲車・甲舎・甲首・甲楯・甲匠・甲裳・甲帖・甲仗・甲姓・甲族・甲第・甲・甲頭・甲馬・甲部・甲兵・甲縫・甲榜・甲門・甲夜・甲葉・甲・甲令
[下接語]
鞍甲・衣甲・偃甲・戈甲・花甲・科甲・華甲・芽甲・介甲・解甲・魁甲・蟹甲・鎧甲・甲・亀甲・旗甲・機甲・弓甲・巻甲・堅甲・犀甲・甲・首甲・戎甲・蜃甲・精甲・全甲・組甲・装甲・帯甲・甲・短甲・鉄甲・甲・披甲・伏甲・兵甲・弊甲・甲・保甲・里甲・甲・練甲

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改訂新版 世界大百科事典 「甲」の意味・わかりやすい解説

甲 (こう)

動物体の外表面を鎧のように覆う固い板状の構造物の総称。

節足動物門甲殻綱の十脚目(エビ,カニ類),アミ目,オキアミ目,口脚目(シャコ類)などでは,頭部と胸部が1枚の厚い外皮で覆われているが,これをとくに甲あるいは甲皮carapaceと呼ぶ。甲殻または頭胸甲とも呼ぶが,口語では甲羅がわかりやすい。また,とくに背甲と呼んで,胸部や体側を覆う外皮と区別することもある。機能的には頭胸部を外部から保護するためのもので,典型的な外骨格である。構造的にはキチンを欠く外ガラス膜とキチンを含む内ガラス膜に分けられるが,後者は全皮の1/4~1/5の厚さの色素層,3/4~4/5の厚さの石灰層,ごく薄い非石灰層からなる。化学成分は種によって異なるが,たとえば硬い甲をもつザリガニではキチン約34%,炭酸カルシウム約47%,リン酸塩約18%で,青,赤,黒色素を有する。また昆虫綱甲虫目は,その前翅(ぜんし)が厚肥し革質の鞘翅(さやばね)となるが,これも俗には甲と呼ばれる。

 軟体動物門頭足綱のコウイカ科のイカ類には,背面の外套(胴)に包まれる石灰質の支持構造があり,甲cuttleboneと呼ばれる。この形態は種によって異なり,分類学的に重要な指標となっている。
執筆者:

脊椎動物では,皮膚または角質に覆われ,かなりの広さと厚さをもって体表に広がる堅固な板状の構造が一般に甲または甲羅と呼ばれ,骨性の外骨格がその主体を成している。骨の個体発生には二つの様式があり,その一つはまず軟骨ができ,ついでそれが骨化して固い骨になるもので,こうした骨を軟骨性骨または置換骨という。もう一つは皮膚の下の真皮の中に直接に骨が発生するもので,この骨を皮骨または膜性骨dermal boneという。一般に脊椎動物の体にはこれら2種の骨が混じりあっていて,軟骨魚類のもつ軟骨性内骨格と相同の骨は由来の古い軟骨性骨であり,それらと相同でない骨の大半は二次的に現れた皮骨である。脊椎動物の甲の骨格の大部分は皮骨である。

 古生代中期の唯一の脊椎動物だったあごをもたない原始魚類,無顎類の多くは頭部ないし体の前半部が堅固な甲に覆われ,そのためこれらは甲皮類,甲冑(かつちゆう)魚,カブトウオなどの別名で総称される。頭部の甲を頭甲,胸部の甲を胸甲という。これらの甲の本体は骨だったが,現在の脊椎動物の骨とは少し異なって骨細胞を含まないものだったため,区別してアスピディンaspidinとも呼ばれる。この骨板の表面を現在のサメの体表のように,歯と同様のものが覆いつくしている種類があった。

 無顎類より遅れて現れた板皮類というグループでは,頭部が堅固な骨格をもっていた上,肩から胸にあたる部分ががんじょうな骨板に覆われ甲のようになっていたが,その実態は十分明らかでない。これらの原始魚類の内骨格は軟骨性であったらしい。

 硬骨魚類には甲といえるものはないが,それに近いものとしてハコフグ類の外骨格がある。ハコフグでは,口,目,鰓孔(えらあな),肛門,ひれの付け根のほかは,全体表が堅固な箱のような構造になっている。これは,皮骨であるうろこの変形した六角形の大型骨板が敷石のようにつながって体表を覆いつくし,可動性を失ったものである。

 両生類と鳥類には甲といえるものはない。爬虫類で甲をもつものはカメ類だけである。現存の大多数のカメの体はハコフグと似て,首,尾,四肢の出るところのほかはほとんど外骨格のがんじょうな箱で覆われ,それがさらに角質の鱗板に包まれている。背中の楕円形の甲すなわち背甲carapaceは3列の骨板とそれらを取りまく縁板から成る。中央の1列の骨板は椎骨と皮骨が発生中に融合したもの,その両側の2列は肋骨と皮骨が融合したもので,骨板どうしはきわめて複雑に入りくんだ縫合によって連結しあっている。腹側の甲つまり2列の骨板からなる腹甲plastronと,腹甲を背甲に結びつける体側の骨板は皮骨である。ハコガメの類では,腹甲は体側の甲から分離しているうえ前半と後半に二分し,関節によってそれぞれがいくらか上下に動くしくみになっている。そのため首,尾,四肢を引っ込めたとき腹甲も同時に動いて開口部を閉じ,体表をほぼ完全に甲で覆うことができる。

 骨板の表面を覆う角質の鱗板はつなぎ目の縁で成長するので,鱗板の表面には成長のあとを示す成長線が刻まれている。骨板の継目と鱗板の継目とはどこでも食い違っており,このために甲全体ががんじょうになっている。以上とは異なって,スッポンオサガメは全体表が軟らかい皮膚に覆われているので,甲をもつとはいいがたい。皮膚の下の骨板では皮骨の部分が退縮しているうえ体側にはなんの骨格もないので,他のカメのような箱型の外骨格をなしていない。

 哺乳類で甲といえるものはアルマジロに見られる。アルマジロの装甲は鱗状の角質の外被の下に皮骨の芯を備えたもので,ワニのうろこと構造が似ている。アルマジロの祖先にあたる第三紀のグリプトドン類は,カメの背甲と酷似した一体化した骨性の背甲のほか,頭頂部と尾の周囲にも堅固な骨性の甲を備えていた。センザンコウの体表のほとんどを覆う松笠状のうろこは毛の変形したもので融通性が高い。サイの胴を覆う強靱な外被は皮膚の厚くなったもので,甲とはいいがたい。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「甲」の意味・わかりやすい解説


こう

一般にカニやエビなどの甲殻類あるいはカメの仲間にみられるような動物体を覆う堅い外被をいい、甲らともよぶ。爬虫類(はちゅうるい)は一般に真皮の分泌した骨(皮骨)や、表皮の角質形成物である角鱗(かくりん)に覆われている。この皮骨と角鱗が発達してそれぞれ骨質板と角質板となり融合したものが、カメ類の甲である。甲は背側の部分と腹側の部分に分けられ、前後端および四肢の間の部分で連絡している。背甲の骨質板は、中央の椎甲板(ついこうばん)、その左右の肋甲板(ろっこうばん)、周囲の縁甲板からなり、椎甲板は脊椎骨(せきついこつ)と、肋甲板は肋骨とそれぞれ癒合している。腹甲の骨質板は2列の胸甲板からなる。これらの骨質板を、普通われわれが目にする六角形をした角質板が覆っている。甲は運動能力の低いカメを外敵から守る役をし、甲に覆われていない頭部、頸部(けいぶ)、四肢、尾はその中に引っ込める。頭部の引っ込め方には、横に曲げる方法とまっすぐ引っ込める方法の2種ある。水中生活をするウミガメ類では頭部や頸部を甲の中に引っ込められなくなっている。また、甲殻類では外骨格のクチクラにカルシウムが沈着して堅くなっているが、頭胸部の背板が癒合して1対の厚い殻となったものをとくに甲という。

[和田 勝]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「甲」の意味・わかりやすい解説


かん

日本音楽の用語。「カン」「干」とも書く。一般に高い音域の音をいい,「 (おつ) 」に対する。場合によっては1オクターブ高いことをいい,また,単に高い音域で歌われる特定部分をもいう。豊後系浄瑠璃の「カン」は三枚目の太夫 (語り手) の担当。なお三味線の勘所のうち,開放弦より1オクターブ高い音の位置の名称でもある。雅楽,声楽などでは「コウ」と読み,現在では5度高いことを示すことが多い。大鼓では,「小音 (こね) 」ともいわれる「ツ」または「チン」の奏法,小鼓では「チ」の奏法で,いずれも「頭 (かしら) 」よりは弱く,「乙」よりは強い打ち方。笛の孔名としては「干」と書き,竜笛では平調の音を出す第2孔,高麗笛 (こまぶえ) では下無,神楽笛では壱越 (いちこつ) の音を出す第1孔,能管では上無に相当する音を出す第7孔をいう。また,能管の「地」の基本旋律「呂中干中」を構成する旋律型名称でもある。

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百科事典マイペディア 「甲」の意味・わかりやすい解説

甲【かん】

日本音楽用語。声や楽器の高い音域およびその音域を用いた旋律。また,ある音に対して1オクターブ高い音。干,上などと表記する場合がある。乙・に対する。

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占い用語集 「甲」の解説

十干の一つ。五行の木行のうち、陽の木をあらわす。自然界では、どっしりとした樹木・大木に例えられる。まっすぐ上に伸びようとする性質がある。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【頭】より

…調緒(しらべお)を強く締めたまま革の外側を強く打った,高く強い音。流派によっては〈甲(かん)〉と呼ぶ。〈タ〉と唱えられ,譜面上では〈△〉または〈〉と記される。…

【キザミ(刻)】より

…小さく打った,弱いが響く音。流派によっては〈甲(かん)〉と呼ぶ。〈ツ〉と唱えられ,譜面上では〈〉または〈・〉と記される。…

【衣帯】より


[袈裟]
 袈裟の本旨は,粗末な端裂(はぎれ)をはぎ合わせた僧衣ということなので,その精神を形に示して,数枚の裂をつないで作った一条をさらに数条ならべて縫った形をとる。そのつなぎ目の部分と四周の部分に別の裂を配したものが多く,前者を葉(よう),後者を縁(えん)と称し,縁葉に囲まれた部分を田相(でんそう)また甲(こう)と称する。なお,全部同じ裂で作った無地のものや,つなぎ目に金色,朱色などの線を配しただけのものもあり,禅系諸宗では多くこれらを用いる。…

【甲冑】より

…戦士が胴部と頭部の防御具として着用する甲(よろい)と冑(かぶと)の総称。時代とともに,その素材は皮革などから金属に変わり,戦士の〈命を守る〉ことを目的として,堅牢度・機動性を高めるためにさまざまの改良が加えられたが,銃砲類が戦場に登場すると,急速にその実用性は失われた。…

【里甲制】より

…明朝は建国後まもなく戸帖の制によって人民の戸籍を定めていったが,また当時江南地方で行われていた小黄冊図の法,すなわちほぼ100戸を1単位とする村落組織などを利用して農村の組織化をすすめた。そしてこれらの制度を整備,画一化して1381年(洪武14)全国的に実施されたのが賦役黄冊の編造と里甲制の制定であった。この制度は徭役負担の義務をもつ110戸を基準として1里を編成し,丁糧の多い富裕戸10戸を里長戸,残りの100戸を甲首戸とし,これを10戸ずつ10甲に分けた。…

【隣保制】より

…このような居住地における保以外にも,科挙,任官,旅行,官穀借用など種々の場合に5名で保を結ばせ,共同責任を負わせることが広く行われた。 北宋の1070年(熙寧3)に王安石新法の一環として施行された保甲法は,10家を保,50家を大保,5大保を都保とし(3年後京畿では5,25,250家に改正),保長,大保長,都保正,副保正を任じ,主客戸の2丁以上ある戸から1丁を選んで保丁とし,交代で夜間の防犯警備に当たらせ,武器の使用を認め団体的軍事訓練をほどこし民兵として活用を目ざした。契丹,党項(タングート)等外族の強圧に抵抗し,兵制の弱点を補い同時に治安強化を意図したこの法は,民兵化をきらう農民の非協力と旧法党の反対により十数年で廃止をみた。…

【甲冑】より

…戦士が胴部と頭部の防御具として着用する甲(よろい)と冑(かぶと)の総称。時代とともに,その素材は皮革などから金属に変わり,戦士の〈命を守る〉ことを目的として,堅牢度・機動性を高めるためにさまざまの改良が加えられたが,銃砲類が戦場に登場すると,急速にその実用性は失われた。…

【冑∥兜】より

…頭にかぶる鉄製の武具。古墳から出土する甲(よろい)には短甲挂甲(けいこう)の2種があり,冑にも衝角付冑(しようかくつきかぶと)と眉庇付冑(まびさしつきかぶと)の二つがある。形の上で衝角付冑は短甲に,眉庇付冑は挂甲に属するものと思われる。…

※「甲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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