(読み)おつ

  • ▽乙
  • ▽乙/▽減り
  • いつ
  • おつう
  • きのと
  • めり
  • 乙 (オト)
  • 漢字項目

知恵蔵の解説

退社するときや仕事が終わったときに交わされるあいさつ「おつかれさま」を略した当て字。電子掲示板(スレ)を新たに立てたり、使用法やルールを設定したり、1000の書き込みで消滅する「2ちゃんねる」スレにおいて、これに続くスレを立てた人に、よく「乙」とねぎらって記される。また、人柱になって(自らの身をもって)得たコンピューター関連などの情報の書き込みに対しても「乙」と返す。「乙カレー」も同義。

(川口正貴 ライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

[名]
十干の第二。きのと。
甲を第一位としたときの第二位。「甲をつけがたい」
物事を図式的に説明するときなどに、甲・丙などとともに、ものの名の代わりに用いる語。「甲丙の三人」「甲の距離」
邦楽で、甲(かん)より一段低い音(おん)。⇔甲(かん)
[形動]
4の低音の意から》普通と違って、なかなかおもしろい味わいのあるさま。味(あじ)。「な事を言う」
普通とは違って変なさま。妙。「にすます」
「始めて出勤した時は―な感じがした」〈二葉亭浮雲
[アクセント]ツ、はオ
常用漢字] [音]オツ(呉) イツ(漢) [訓]きのと おと
〈オツ〉
十干の二番目。きのと。「甲乙
順位で、第二位。「乙種
〈イツ〉
きのと。「乙卯(いつぼう)」
二番目。「乙夜(いつや)
文末を止めるしるし。「不乙(ふいつ)
〈おと〉「乙姫(おとひめ)乙女(おとめ)
[名のり]お・き・くに・たか・つぎ・と・とどむ
[難読]早乙女(さおとめ)独乙(ドイツ)乙甲(めりかり)乙張(めりはり)
《動詞「め()る」の連用形から》
へること。出費や損失。
「一年に殆んど五割の―が立つ」〈魯庵社会百面相
邦楽で、音の高さを低くすること。特に尺八でいう。⇔甲(かり)
おつ
《「木の(と)」の十干の2番目。おつ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

雅楽およびの用語で,甲(かん)に対応する。(1)雅楽の音名。平調(ひようぢよう)の音で基本の音。琵琶はこの音で調音する。(2)小鼓の打音名。の中央辺を打った瞬間に調緒(しらべお)を少し締め,すぐゆるめた低く強い音。〈ポ〉と唱えられ,譜面上では〈〇〉と記される。(3)大鼓の打音名。小さく打った右手でそのまま革をおさえて響かせない弱い音。〈ドン〉と唱えられ,譜面上では〈〇〉と記される。ただし,実演上では〈一調〉などの特別な場合を除いては,甲と区別しない流派もある。

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精選版 日本国語大辞典の解説

[1] 〘名〙
① 十干の第二番目。きのと。〔黒本本節用集(室町)〕
② (十干の順位で第二位にあるところから)
(イ) 甲(こう)に次ぐもの。また、甲に次いで第二位にあるもの。物事の順位の第二番目。
※令義解(718)考課「試律令十条。〈略〉全通為甲。通八以上。為乙」
※風姿花伝(1400‐02頃)六「かやうなる品々、所々を、かぎらで甲おつなからんほどの為手(して)ならでは」
(ロ) 第一位、または最高に及ばない状態。
※評判記・秘伝書(1655頃)ちはのへんたうの事「男のいはく、わが身はしんだいもおつ也」
③ 音声や楽器の音で、甲(かん)に対して一段と低く下がるもの。また、低く、しんみりした音や調子。
※太平記(14C後)二一「真都(しんいち)三重の甲を上ぐれば、覚一初重の乙(ヲツ)に収めて歌ひすましたりければ」
④ 漢籍を読む際に文章の切れ目に朱点を入れたり、文字が脱落している箇所のそのかたわらに注記したりすること。
⑤ 能楽の囃子(はやし)の打ち方の一種。太鼓を軽く打ち、撥(ばち)を革からすぐに離さずに打ち出す「どん」という音。また、小鼓の時は、打つと同時にしらべのにぎりをゆるめて発する「ぱ」という音。
⑥ 「甲」などとともに、人や物の名の代わりとして用いる。
※義血侠血(1894)〈泉鏡花〉六「乙者(オツ)も劣らず水を向けたりき」
⑦ うすぼんやりしている人をいう近世の上方方言。〔新撰大阪詞大全(1841)〕
⑧ 物事の状態。具合。調子。おつあい。
※洒落本・蕩子筌枉解(1770)平蕃曲「こんにゃ見せまへにしかけておつが悪くはおらァもふ乗りかいやうと思ふ」
⑨ 物事の道理。理屈。また、事情。
※滑稽本・六阿彌陀詣(1811‐13)初「一度位は負けてやっても好うござりますと、おつを云はれてさすがの亭主も」
[2] 〘形動〙
① 普通と違って、一種のしゃれた情趣があるさま。
※洒落本・辰巳之園(1770)「『このごろ名代の、六部女郎さ』『おつな子だね』」
② 普通と異なっているさま。一風変わっていて変なさま。
※洒落本・通言総籬(1787)二「『ゆふべどけへお出なんした。京町かへ』『フウおつな事をいふの。〈略〉おれが京町へ行った沙汰はまだ聞かなんだ』」
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「始て出勤した時は異(オツ)な感じがした」
おつ‐が・る
〘自ラ五(四)〙
〘副〙
① 変に。妙に。むやみに。やたらと。
※歌舞伎・八重霞曾我組糸(1823)大切「お前先刻からおつうわしをはぐらかすが」
② しゃれて。じょうずに。
※黄表紙・三筋緯客気植田(1787)上「こぞうめが、をつう口舌をしかけをる」
〘名〙 (木の弟の意) 十干(じっかん)の第二。おつ。いつ。
※曾丹集(11C初か)「きのと 冬深く野はなりにけり近江なるいぶきのと山雪ふりぬらし」

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