一入(読み)ヒトシオ

デジタル大辞泉 「一入」の意味・読み・例文・類語

ひと‐しお〔‐しほ〕【一▽入】

《2が原義》
1 ほかの場合より程度が一段と増すこと。多く副詞的に用いる。いっそう。ひときわ。「苦戦の末の優勝だけに喜びも一入だ」「懐しさが一入つのる」
2 染め物を染め汁の中に1回つけること。
「―再入ふたしほの紅よりもなほ深し」〈太平記・三六〉
[類語](1)まして・なおさら・いわんや・さらに・余計・一層・もっと・ますます・いよいよ・より・も少し・もう少し・ずっと・なお・一段・弥いやが上に・数段・段違い・層一層・しのぐ・もそっと・今少し・ぐんと・ぐっと・うんと・だいぶ・余程・遥か・うたた・尚尚なおなお・尚なお以て・更なる・ひときわ・いや増す・尚なお且つ・かてて加えて・それどころ・そればかりか・しかのみならず・のみならず・加うるに・おまけに・また・且つまた・且つ・この上・その上・しかも・さては・さなきだに

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精選版 日本国語大辞典 「一入」の意味・読み・例文・類語

ひと‐しお‥しほ【一入】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しお」は接尾語 )
  2. ① 染物を染汁に一回入れて浸すこと。
    1. [初出の実例]「ひとしほも染むべき物かむらさきの雲よりふれるをとめなりとも」(出典:宇津保物語(970‐999頃)菊の宴)
  3. ② ( 副詞的にも用いる ) ひときわ。いっそう。
    1. [初出の実例]「ときはなる松のみどりも春くれば今ひとしほの色まさりけり〈源宗于〉」(出典:古今和歌集(905‐914)春上・二四)
    2. 「暑も一入(ヒトシホ)なり」(出典:そめちがへ(1897)〈森鴎外〉)

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