精選版 日本国語大辞典 「一筋・一条」の意味・読み・例文・類語
ひと‐すじ ‥すぢ【一筋・一条】
[1] 〘名〙
① 糸や竹などのような細く長いものの一本。また、よどみなく一つに続くもの、細長く続くもの。一条(いちじょう)。
※竹取(9C末‐10C初)「もとひかるたけなむ一すちありけり」
※冬の宿(1936)〈阿部知二〉三「彼女の最後の一すぢの希望までも滅ぼすもの」
※大鏡(12C前)三「多くは、ただこの九条殿の御一すぢなり」
③ 一芸。一道。
※俳諧・幻住菴記(1690頃)「無能無才にして此一筋につながる」
④ 銭差し一本の銭。銭百文。〔女重宝記(元祿五年)(1692)〕
⑤ 「ひとすじなわ(一筋縄)②」の略。
[2] 〘形動〙
① 普通なさま。尋常なさま。一様なさま。
※源氏(1001‐14頃)梅枝「ひとすぢにかよひてなんありける」
② 一つに集中するさま。また、気持をほかの方へは向けず一つのことだけをするさま。いちずなさま。
※枕(10C終)三七「水なしの池〈略〉出づるをりもあるを、一すぢにもつけけるかな」
※浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)中「一筋な心から其恨で有ふの」
③ 滞りなく進行するさま。また、よどみなく一つに続くさま。
※愚管抄(1220)三「ひとすぢに世のうつりかはりおとろへくだることわり」
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