五分(読み)ゴブ

デジタル大辞泉 「五分」の意味・読み・例文・類語

ご‐ぶ【五分】

尺貫法で、1寸の半分の長さ。約1.5センチ。「一寸の虫にも五分の魂」→1
1割の半分の割合。100分の5。5パーセント。「五分手数料」「市価五分引き」→歩合
物事の半ば。半分。「五分通り出来上がる」
双方優劣の差がないこと。五分五分。「試合五分に持ち込む」「五分に渡り合う」
(あとに打消しの語を伴って用いる)ほんのわずか。「五分のすきもない」
昔、牛鍋屋などで、1の長さに切ったネギをいった語。
生肉なまかわりに、―の代を持って来い」〈逍遥当世書生気質
[類語](3半分ハーフ半ば半数半額半金半値四半分/(4等しい同じ同一等価同等均等等し並み一律一様いちようイコール互角伯仲五分五分おっつかっつ拮抗どっこいどっこいとんとん対等匹敵比肩伍する相半ばする肩を並べる勝るとも劣らない並び立つ負けず劣らずいずれ劣らぬ似たり寄ったり並ぶ団栗どんぐりせい比べ双璧そうへきちょぼちょぼ甲乙付け難い雁行一進一退鍔競つばぜり合い竜虎相搏あいう追いつ追われつ抜きつ抜かれつ競り合うせめぎ合う攻防一歩も引かぬ同列同級同席同位符合合致一致吻合ふんごう整合暗合該当適合適応相当即応順応対応照応同質等質見合う当てはまる一緒同前同然同上同類共通同様そのまま

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精選版 日本国語大辞典 「五分」の意味・読み・例文・類語

ご‐ぶ【五分】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一寸の半分の長さ。約一・五センチメートル。
    1. [初出の実例]「枝のながさ七尺、或六尺、返し刀五分に切る。枝の半に鳥を付く」(出典:徒然草(1331頃)六六)
  3. 一割の半分。百分の五。五パーセント。
  4. 物事の度合がわずかであること。少々。
    1. [初出の実例]「為朝聞給ひて、こころに五分(ゴブ)の憤(いきどほり)あれども、色にも見(あらは)し給はず」(出典読本・椿説弓張月(1807‐11)前)
  5. 物事のなかば。また、程度が半分くらいであること。半々。「成功の見込みは五分だ」
  6. 双方に上下優劣のないこと。五分五分。
  7. 長さを一寸の半分ぐらいに切ったねぎ。ごぶねぎ。
    1. [初出の実例]「つひでに五分葱(ゴブ)とお香のものをサ」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二)

ご‐ふん【五分】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一分の五倍の量を表わす語。
  3. 江戸時代元祿一六八八‐一七〇四)頃の、最下等の遊女の揚げ代。銀五分(ふん)であった。また、その遊女の位の称。五分取。五分女。五分蔵。
    1. [初出の実例]「同じ人間とは申せども、上太夫より下五分(ごフン)にいたる事、さても甲乙あるものは遊女の品ぞかし」(出典:浮世草子・好色貝合(1687)上)

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