等しい(読み)ヒトシイ

デジタル大辞泉 「等しい」の意味・読み・例文・類語

ひとし・い【等しい/均しい/斉しい】

[形][文]ひと・し[シク]
二つ以上の物事の間で、その数量程度形状などに相違がない。同じである。「二辺の長さが―・い」「三人に―・く分ける」
二つ以上の物事の間に、性質・状況の上で同一性がある。よく似ている。「薬効が無いに―・い」「詐欺に―・い行為
(「ひとしく」の形で)大勢が同じ行動をするさま。一斉に。こぞって。「皆―・く非難する」
(「…とひとしく」の形で)時間的に同じであるさま。と同時に。…するやいなや。
「此の言葉を聞くと―・く、…身体がぐたりとなった」〈漱石・坑夫〉
同じ[用法]
[派生]ひとしさ[名]
[類語](1同じ同一等価同等均等等し並み一律一様いちようイコール力量が)互角五分ごぶ伯仲五分五分おっつかっつ拮抗どっこいどっこいとんとん対等匹敵比肩伍する相半ばする肩を並べる勝るとも劣らない並び立つ負けず劣らずいずれ劣らぬ似たり寄ったり並ぶ団栗どんぐりせい比べ双璧そうへきちょぼちょぼ甲乙付け難い雁行一進一退鍔競つばぜり合い竜虎相搏あいう追いつ追われつ抜きつ抜かれつ競り合うせめぎ合う攻防一歩も引かぬ同列同級同席同位符合合致一致吻合ふんごう整合暗合該当適合適応相当即応順応対応照応同質等質見合う当てはまる一緒同前同然同上同類共通同様そのまま/(2同然同断同様一緒符合合致一致吻合整合暗合該当適合適応相当即応順応対応照応同質同列同等等質見合う当てはまる/(3共に一斉同時に一時いちじ一時いちどき一気に一挙に一息に一気呵成かせい一度に一遍に

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「等しい」の意味・読み・例文・類語

ひとし・い【等・均・斉】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ひと〘 形容詞シク活用 〙 二つ以上の物事の間に、ある点で同一性のあるさま。
  2. 多くの事が全体にそろっていて同じであるさま。
    1. (イ) でこぼこがない。平均している。公平である。
      1. [初出の実例]「上下ひとしく書い給へり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)
      2. 「語声均(ヒトシカラ)ずして、或ときは麁く或ときは細し」(出典:東大寺本大般涅槃経平安後期点(1050頃)二〇)
      3. 「ひとしく人間を尊重しようとすれば」(出典:憲法講話(1967)〈宮沢俊義〉五)
    2. (ロ) いつもと同じである。平常である。
      1. [初出の実例]「げんざいのなんぎ、はかなき事をひとしき心をもてうくべき事」(出典:こんてむつすむん地(1610)三)
  3. 形状、性質、状態、程度、数値などを対比して、同じであるさま。非常によく似ている。
    1. [初出の実例]「時に此の神、形貌自づから天稚彦と恰然(ヒトシク)相ひ似れり」(出典:日本書紀(720)神代下(鴨脚本訓))
  4. 時間的に同じであるさま。「…とひとしく」の形で、「…と同時に」の意に用いる。
    1. [初出の実例]「暮るるとひとしく参り給ひて」(出典:讚岐典侍(1108頃)上)
  5. 大勢の行動が同じであるさま。誰も彼も一斉である。
    1. [初出の実例]「咸く共に疇(ヒトシク)(とぶる)ひ」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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