デジタル大辞泉
「少」の意味・読み・例文・類語
すない【▽少】
[接頭]《「すな(少)き」の音変化》官職名を示す語に付いて、同じ官職・位階のうち下位であることを表す。「少ものもうし」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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すこしき【少】
- ( 副詞「すこし」と同語源 )
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① ( 副詞的にも用いる ) 数量、程度が小であること。わずか。ちょっと。
- [初出の実例]「尾に至りて劔の刃少(スコシキ)缺(か)けぬ」(出典:日本書紀(720)神代上(兼夏本訓))
- 「少(スコシキ)取るときは、則ち小(スコシキ)福を得」(出典:世俗諺文鎌倉期点(1250頃))
- ② 容量、形が小であること。小さいこと。〔書陵部本名義抄(1081頃)〕
- [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
- ① わずかであるさま。
- [初出の実例]「尤も仏天をあがむべし。奉加すこしきなり、誰か助成せざらん」(出典:平家物語(13C前)五)
- ② 小さいさま。
- [初出の実例]「小(スコシキナル)雄雞(みにはとり)を以て、呼びて天皇の鶏と為て、毛を抜き翼を剪きて」(出典:日本書紀(720)雄略天皇七年八月(前田本訓))
- 「大な物も、とをうふかければ、ほそうすこしきにみゆるぞ」(出典:詩学大成抄(1558‐70頃)九)
少の語誌
( 1 )「すこし」「すこしき」「すこしく」などの形を合わせ考えると、シク活用「すこし」の存在も考えられそうであるが、次のような( イ )~( ハ )の理由から認めにくい。( イ )「すこし」は単独で副詞として用いられるのに対し、訓点語などでは「すこしき」が副詞的に用いられる。( ロ )「すこしき」には名詞としての用法や、「に」「なる」を伴った形容動詞としての用法もあり、これらは、通常の形容詞にはみられないところである。( ハ )「すこしく」の形は「今昔物語集」に数例あるが、その他の確例は新しいものばかりである。
( 2 )漢文訓読文では、「おほきなり(大)」などに対応した形として「すこしき(なり)」を用い、これを名詞もしくは形容動詞として用いた。さらに、「すこしき」を形容詞とも解し、「コンテムツスムンヂ(捨世録)‐二」の「sucoxiqi(スコシキ) コトニ アラズ」のように形容詞連体形として用いたものも生じた。
( 3 )[ 一 ]①の挙例のように、漢文訓読文の用例には、副詞に転用したものも多く見られるが、副詞用法としては、漢文訓読文で「すこし」「すこしき」を用い、和文で「すこし」のみを用いるという対立がある。なお、「すこしき」が「すこし」と違って、「小さい」という意味を持つのは、漢文の「小」の字義にひかれたものである。
しょうセウ【少】
- 〘 名詞 〙
- ① 分量がすくないこと。たりないこと。また、そのもの。⇔多。
- [初出の実例]「索少即是惑情、今欲二以レ大化一レ少故、違レ索与レ大也」(出典:法華義疏(7C前)二)
- [その他の文献]〔易経注‐繋辞下〕
- ② わかいこと。いとけないこと。また、その人。
- [初出の実例]「手わけをして少でもあれ長でもあれ皆斬たぞ」(出典:史記抄(1477)七)
- [その他の文献]〔史記‐魯世家〕
- ③ 令制で、三歳以上一六歳以下の男女の称。
- [初出の実例]「凡男女三歳以下為レ黄。十六以下為レ少。廿以下為レ中。其男廿一為レ丁」(出典:令義解(718)戸)
すこしく【少】
- 〘 副詞 〙 ( 「すこし」「すこしき」を形容詞のように意識してその連用形として作り出された語 ) わずかに。ちょっと。
- [初出の実例]「先づ、少しく食(じきし)たるに」(出典:今昔物語集(1120頃か)一七)
- 「さばれ、否、呼入れよ。すこしく問はうこともあれば」(出典:武蔵野(1887)〈山田美妙〉下)
少の語誌
「すこしき」が中古に生じていたのに対し、「すこしく」は、挙例のように「今昔物語集」に数例あるほかは確例がなく、その一般化は近世以降のようである。形容動詞の「すこしき」が「わずかだ」という意味のほか「小さい」という意味でも用いたのに対して、「すこしく」は「わずかに」という意味でのみ用いる点が異なる。
すなき【少】
- ( 形容詞「すくなし」の連体形「すくなき」の変化した語 )
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 年若い者のこと。
- [初出の実例]「長(あね)を神前皇女と曰す。仲(なか)を茨田皇女と曰す。少(スナキ)を馬来田皇女と曰す」(出典:日本書紀(720)継体元年三月(前田本訓))
- [ 2 ] 〘 接頭語 〙 =すない(少)
すこ【少】
- 〘 副詞 〙 ( 副詞「すこし」の略。「と」を伴って用いることもある ) すこし。ちょっと。
- [初出の実例]「物言いにすこくせの有娵をとり」(出典:雑俳・川柳評万句合‐宝暦一二(1762)信三)
- 「きこうの手のほりものをすことはいけんいたしたい」(出典:洒落本・妓者呼子鳥(1777)二)
すくな【少】
- 〘 造語要素 〙 ( 形容詞「すくない」の語幹から ) すくないこと。また、そのさま。多く名詞の下に付けて形容動詞を作る。「人少な」「言少な」「文字少な」など。
- [初出の実例]「やせやせに、御髪(ぐし)すくななるなどが、かくそしらはしきなり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)
すない【少】
- 〘 接頭語 〙 ( 「すなき(少)」の変化した語 ) 官職名の上について、同じ官で低い方をいう語。中古に使われた。「少弁(すないおおともい)」「少納言(すないものもうし)」など。⇔大(おおい)
すこうし【少】
- 〘 副詞 〙 副詞「すこし(少)」の変化した語。
- [初出の実例]「さっきのつぶやきが 投げやるやうに 悲しげに こんどは少うし腹を立ててゐるやうな調子できこえました」(出典:一千一秒物語(1923)〈稲垣足穂〉 A MEMORY )
すこ
し【少】
- 〘 形容詞シク活用 〙 ( 「すこし」「すこしき」「すこしく」から想定された形容詞形 ) ⇒「すこしき(少)」の語誌
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「少」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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