(読み)ふく

精選版 日本国語大辞典 「幅」の意味・読み・例文・類語

ふく【幅】

[1] 〘名〙 掛軸掛物。軸物。軸。
春夏秋冬‐春(1901)〈正岡子規編〉「昼燭す涅槃の幅や東福寺〈露石〉」
[2] 〘接尾〙 (上にくる語によって「ぷく」「ぶく」となる) 画像・掛軸(かけじく)などを数える場合に添える語。軸。〔運歩色葉(1548)〕
南方録(17C後)棚「二幅対のかけ絵」 〔韓愈‐桃源図詩〕

はば・る【幅】

〘自ラ四〙
① 幅がひろがる。幅をとる。
※雑俳・川柳評万句合‐明和三(1766)仁三「おそろしいじゅずだとしづか手にはばり
② 幅をきかせる。いばる。
※俳諧・寛永一四年熱田万句(1637)甲「天下こそりてもてはやす春〈宗供〉 白馬節会の場にははるらん〈家盛〉」

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デジタル大辞泉 「幅」の意味・読み・例文・類語

はば【幅/巾】

物の横の端から端までの距離。また、長方形の短いほうの辺の長さ。差し渡し。「―の広い肩」「机の―」「道路の―」
声・価格などの高低の隔たり。「―のある声」「値上げの―」
制約の中で自由にできる、ゆとり。「規則に―をもたせる」
心の広さ。ゆとり。「―のある人間」
その領域で実力があり、発言力が大きいこと。はぶり。威勢
「主が時の―に任せて、佐々木殿の御意を聞かず」〈甲陽軍鑑・一七〉
[下接語]後ろ幅大幅肩幅川幅小幅シングル幅背幅そでダブル幅ちゅう並幅値幅半幅広幅歩幅前幅丸幅・道幅・身幅木綿幅ヤール幅横幅利幅
[類語](1距離横幅歩幅振幅/(2間隔隔たり間合いインターバル

ふく【幅】[漢字項目]

常用漢字] [音]フク(呉)(漢) [訓]はば
フク
はば。「幅員拡幅恰幅かっぷく紙幅車幅振幅全幅満幅
へり。ふち。「辺幅
掛け軸。「画幅条幅三幅対
〈はば〉「幅広大幅肩幅値幅
難読二幅ふたの三幅みの

ふく【幅】

[名]床の間に掛けて飾りとする軸物。掛け物。「山水
[接尾]助数詞。掛け物・軸物などを数えるのに用いる。上に来る語によっては「ぷく」「ぶく」となる。軸。「二の掛け軸」

ぶく【幅】

[接尾]ふく(幅)」に同じ。「三の掛け字」

ぷく【幅】

[接尾]ふく(幅)」に同じ。「一絵画

の【幅/布】

布の幅を数える単位一幅ひとの鯨尺で1尺(約37.9センチ)。
一幅分の布。はぎ合わせた衣や幕などの一部をさすのに用いる。

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