心安い(読み)ココロヤスイ

デジタル大辞泉 「心安い」の意味・読み・例文・類語

こころ‐やす・い【心安い】

[形][文]こころやす・し[ク]
親しみやすく気がおけない。遠慮がない。気心がわかっている。「―・い間柄
気がかりなことがない。安心である。「お―・うお休みください」
たやすい。簡単である。「―・く承知する」
[類語]近い緊密接近密接親近近接不可分濃い切っても切れない水いらず親しい近しい気安いむつまじい親密懇意昵懇じっこん懇親別懇ねんご親愛和気藹藹あいあい仲良し気が置けない人なつこい取っ付きやすい懐こい如才ない調子がいいなれなれしいファミリアフレンドリーアットホームドメスティック家庭的打ち解ける解け合う馴染む親しむ馴染み深いつうつうつうかあ息が合う反りが合う反り馬が合う気が合う肌が合う琴瑟きんしつ相和す打てば響く意気投合心を通わす心が通う胸襟を開く腹を割る心を開く心を許す気を許す肝胆相照らす心を交わす心を以て心に伝う

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心安い」の意味・読み・例文・類語

こころ‐やす・い【心安】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]こころやす・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 気持が落着いている。気づかいがない。安心である。心のどかである。
    1. [初出の実例]「浅茅原ぬしなき宿の桜花心やすくや風にちるらん〈恵慶〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)春・六二)
    2. 「源氏の君は、上の常に召しまつはせば、心やすく里住みもえし給はず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
    3. 「せいもんをたていならば、たて申べきぞ。お心やすかれ大夫殿」(出典:説経節・さんせう太夫(与七郎正本)(1640頃)中)
  3. だれでもすぐ親しめるようなさまである。きさくである。また、気心がわかっていて、遠慮なくつきあっているさまである。親しい。懇意である。
    1. [初出の実例]「いでや、さらずとも、かれらいとこころやすしと聞く人なれば、なにか、さわざわざしう、構へたまはずともありなん」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
    2. 「けふ此頃懇意(ココロヤス)くなッた者の肩ア持ッておれをこめるのハなんのこッた」(出典西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉一〇)
    3. 「階下(した)に住む夫婦者は〈略〉しかし心易い人達ではあった」(出典:家(1910‐11)〈島崎藤村〉上)
  4. やさしい。容易である。簡単である。わけもない。
    1. [初出の実例]「御息所は、おほん暇(いとま)の心やすからぬに懲り給て、かかるついでにしばしあらまほしくおぼしたり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
    2. 「何ぞ六つケ敷い割物でも被仰付らるるかと存て御座れば、是は何より心安い事で御座る」(出典:虎寛本狂言・賽の目(室町末‐近世初))

心安いの派生語

こころやす‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

心安いの派生語

こころやす‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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