(読み)セイ

デジタル大辞泉 「政」の意味・読み・例文・類語

せい【政】[漢字項目]

[音]セイ(漢) ショウ(シャウ)(呉) [訓]まつりごと
学習漢字]5年
〈セイ〉
国家・社会を正しくおさめること。まつりごと。「政権政策政治政党政府政令悪政為政王政行政憲政国政参政市政施政失政善政内政農政暴政
筋道を立ててやりくりすること。「家政財政
ショウ〉まつりごと。「摂政太政官だいじょうかん・だじょうかん
[名のり]おさ・かず・きよ・こと・すなお・ただ・ただし・ただす・なり・のぶ・のり・まさ・まさし・ゆき
難読主政じょう政所まんどころ

まつり‐ごと【政】

《「祭り事」の意。上代では祭政一致であったところから》国の主権者がその領土・人民を統治すること。政治。政道。「を執る」「が乱れる」
[類語]政治国事行政施政政策国政政事政道万機ばんき経世経国経綸けいりん治国治世統治治政為政いせい

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精選版 日本国語大辞典 「政」の意味・読み・例文・類語

まつり‐ごと【政】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 神を敬い慰撫・鎮魂し、祈願感謝すること。神をまつること。祭祀
    1. [初出の実例]「尚侍の宮づかへする人なくては、かの所のまつりことしどけなく」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)
  3. ( 古代においては、神をまつり、神の意を知ってそれを行なうことが、そのまま国を統治することであったところから、転じて ) 君主・主権者が、その国の領土・人民を統一し治めること。政治。政道。
    1. [初出の実例]「皇后手白香皇女を立てて内(うちつこと)に脩教(マツリコト)せしむ」(出典日本書紀(720)継体元年三月(前田本訓))

せい【政】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 不正をただすこと。また、国をおさめること。まつりごと。あるいは、おきて。〔和英語林集成(初版)(1867)〕 〔論語‐為政〕
  3. 教え。道。
    1. [初出の実例]「玄機はさう云ふ時にも客を迎へずに、籠居して多く詩を作り、それを温に送って政(セイ)を乞うた」(出典:魚玄機(1915)〈森鴎外〉)
    2. [その他の文献]〔大戴礼‐盛徳〕

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普及版 字通 「政」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

(旧字)
8画

[字音] セイ
[字訓] まつりごと

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は正(せい)。正は他邑を征服すること。これに攴撃(ぼくげき)を加えて、支配することをという。〔説文〕三下に「正なり。攴に從ひ、正に從ふ。正は亦聲なり」とする。正は征服、征は征取、政は支配することをいう。金文の〔禹鼎(うてい)〕に「井(けい)()方を(をさ)めよ」、〔毛公鼎〕に「命をき、小大の楚賦(胥賦・賦税)を(をさ)めよ」とあり、政治的経済的な支配を意味するが、ときには〔叔夷(しゆくいはく)〕「我が三軍を(をさ)めよ」のように、軍事・軍政にもいう。

[訓義]
1. まつりごと、おさめる。
2. つかさどる、ただす。
3. おきて、おきてする、とりきめ。
4. えたち、征役。
5. 正と通じ、まさに、まさしく。
6. 征と通じ、うつ。

[古辞書の訓]
名義抄 マツリゴト・ノリ・ヲサム・アラタム・マサシ・ナリ・セム・サカシ・ウツ・カタシ・タダス・ノフ・ナル

[語系]
・正・征・整・証tjiengは同声。整は「ととのう」、証は「諫む」と訓し、みな正の声義を承ける。

[熟語]
政機・政議政教・政刑・政経・政権・政策・政事・政治・政術・政象政人・政枢・政声・政績政体政庁政典・政途・政道政徳・政府・政柄・政辟・政変・政法・政務・政乱・政理・政令・政路・政論
[下接語]
悪政・圧政・為政・王政・苛政・家政・稼政・外政・学政・寛政・議政・虐政・逆政・行政・軍政・刑政・恵政・憲政・荒政・国政・祭政・財政・参政・施政・時政・失政・執政・授政・従政・庶政・頌政・神政・新政・親政・仁政・衰政・斉政・聖政・税政・摂政・専政・善政・大政・治政・知政・致政・朝政・帝政・徳政・内政・農政・幕政・秕政・美政・弼政・布政・賦政・文政・平政・秉政・弊政・邦政・暴政・民政・明政・乱政・政・理政・力政・立政・臨政・廉政

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【始皇帝】より

…中国,代の王(在位,前247‐前222),中国最初の皇帝(在位,前222‐前210)。姓は(えい),名は政。荘襄王の子。一説では実父は陽翟の大賈である呂不韋とする。荘襄王が人質となってに寄寓していたおりに呂不韋は自分の姫妾を荘襄王に献上したが,彼女はすでに妊娠していたという。政は趙の国都邯鄲に生まれ,荘襄王の死去により13歳で秦王となった。はじめ呂不韋を相国として国事をゆだねたが,即位10年に嫪毒(ろうあい)の事件に連座したためにしりぞけ,ついで法家の李斯を重用した。…

※「政」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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