日本大百科全書(ニッポニカ) 「横川(延暦寺)」の意味・わかりやすい解説
横川(延暦寺)
よかわ
滋賀県大津市坂本本町にある比叡山(ひえいざん)延暦寺(えんりゃくじ)の三塔の一つ。第3代天台座主(てんだいざす)円仁(えんにん)が横川を開き、根本如法(こんぽんにょほう)塔を中心に諸堂が建てられた。967年(康保4)横川に住房をもつ良源(りょうげん)(慈慧(じえ)大師)が座主となると、横川は繁栄し、台密(たいみつ)の覚超(かくちょう)の系統が川流(かわりゅう)として栄えた。恵心僧都(えしんそうず)源信(げんしん)(942―1017)は横川恵心院に住して浄土教を鼓吹し、恵心流の祖とされる。道元や日蓮(にちれん)も横川で学問修行した。未来の弥勒菩薩(みろくぼさつ)下生(げしょう)の地という信仰も生まれた。
[田村晃祐]
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