揺蕩う(読み)タユタウ

デジタル大辞泉 「揺蕩う」の意味・読み・例文・類語

たゆた・う〔たゆたふ〕【揺蕩う/猶予う】

[動ワ五(ハ四)]
ゆらゆらと揺れ動いて定まらない。「波間小舟が―・う」
気持ちが定まらずためらう。心を決めかねる。
「強悪非道の曲物くせものも女と見て少し―・う内に」〈鉄腸・花間鶯〉
[類語](1浮かぶ漂う流れる浮く浮遊する浮流する漂流するどんぶらこどんぶりこぷかぷか浮き沈みぽっかりぷかりぷかり浮揚舞う片片へんぺんひらりひらりひらりひらひらふわふわふわりふわっとふんわりゆらゆら/(2動揺波立つぐらつく乱れる動ずる浮き足立つ揺さぶる揺るがすぐらぐら悩乱惑乱未練がましい名残惜しい惜しいもったいないあたら残念残り惜しい残り多い口惜しい惜しむ心残り物惜しみ未練愛惜痛惜後ろ髪後を引く去り難いしつこい執念深いねちっこいねついねちねち悪あがきうじうじうだうだいじいじぐじぐじもじもじ因循断腸の思い負け惜しみこだわる尾を引く執拗恋恋れんれん惜しげ思い残す思い迷う忍びない

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精選版 日本国語大辞典 「揺蕩う」の意味・読み・例文・類語

たゆた・うたゆたふ【揺蕩・猶予】

  1. 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙
  2. 水などに浮いているものや煙などが、あちらこちらとさだめなくゆれ動く。ひと所にとまらないでゆらゆらと動く。ただよう。
    1. [初出の実例]「天雲の多由多比(タユタヒ)来れば九月(ながつき)のもみちの山もうつろひにけり」(出典万葉集(8C後)一五・三七一六)
  3. 心が動揺して定まらなくなる。ぐずぐずして決心がつかない状態になる。躊躇(ちゅうちょ)する。ぐずぐずする。
    1. [初出の実例]「常止まず通ひし君が使ひ来ず今は逢はじと絶多比(たゆタヒ)ぬらし」(出典:万葉集(8C後)四・五四二)
    2. 「為損じてはとたゆたひて、かるかるしく事を発せず」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)前)

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