デジタル大辞泉 「聞」の意味・読み・例文・類語 ぶん【聞】[漢字項目] [音]ブン(漢) モン(呉) [訓]きく きこえる[学習漢字]2年〈ブン〉1 きく。きこえる。「聞知/寡聞・外聞・見聞・上聞・仄聞そくぶん・他聞・伝聞・内聞・博聞・百聞」2 評判。うわさ。「異聞・艶聞えんぶん・旧聞・醜聞・新聞・風聞・名聞」3 においをかぐ。「聞香」〈モン〉1 きく。「声聞しょうもん・奏聞・相聞・聴聞・前代未聞・如是我聞にょぜがもん」2 うわさ。「名聞みょうもん」[名のり]ひろ[難読]聞説きくならく・聞道きくならく 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「聞」の意味・読み・例文・類語 きこえ【聞】 〘 名詞 〙 ( 動詞「きこえる(聞)」の連用形の名詞化 )① 耳にきこえること。② ( 世間にきこえることの意から ) うわさ。とりざた。評判。また、世間の思わく。世間てい。外聞。[初出の実例]「二条の后に忍びてまゐりけるを、世のきこえありければ」(出典:伊勢物語(10C前)五)「傾城遊女を屋敷へ入ては他所(よそ)の聞へ、殊にかほよ殿の爺御(ててご)の手前も立ぬと言ふて」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)六)「一口に自活とか独立とか云ふと聞えは好いが」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉夏)③ 評判を立てること。言いふらし。いいまえ。[初出の実例]「このひんがし山なる寺の塔の会し給ふべしといふ聞えをなして」(出典:宇津保物語(970‐999頃)藤原の君) ぶん【聞】 〘 名詞 〙① 聞くこと。また、聞いて知ること。[初出の実例]「様子を聞て病を知るを聞(ブン)と云」(出典:都鄙問答(1739)四)② 令制で、太政官の論奏の奏文の奥上に天皇の裁可のしるしとして宸筆で記される字。大宝令では「可」。また、弾正台の奏弾の文書にも宸筆で書かれる。平安以後は衛府の舎人を任命し内侍を通じて上奏される衛府擬舎人奏(えふぎとねりのそう)にも書かれるようになった。御画聞(ごかくぶん)ともいう。〔令義解(718)〕 もん【聞】 〘 名詞 〙 能楽で、演者が観客に与える効果のうち、主として聴覚に訴える面白さ、音曲(謡)の面白さ。[初出の実例]「如レ此能の当座を聞より出くる能とは申也」(出典:花鏡(1424)比判之事) きかせ【聞】 〘 名詞 〙 ( 動詞「きかせる(聞)」の連用形の名詞化 ) 歌舞伎の下座音楽の一つ。定まった位置で演奏する下座音楽とは別に、事件の経過に直接関係ある音を、揚げ幕の中や舞台裏で聞かせるもの。「松浦の太鼓」の陣太鼓、「め組の喧嘩」の半鐘など、鳴物を用いることが多い。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「聞」の読み・字形・画数・意味 聞常用漢字 14画(異体字)14画 [字音] ブン・モン[字訓] きく・ほまれ[説文解字] [甲骨文] [金文] [字形] 形声声符は門(もん)。卜文にみえる字の初形は象形。挺立する人の側身形の上に、大きな耳をしるす形で、(望)の初文が、挺立する人の側身形の上に、大きな目をしるすのと、同じ構造法である。その望み、聞くものは、神の啓示するところを求める意である。また卜文の聞字に、口のあたりに手を近づけている形のものがあり、これは「以聞(いぶん)(天子に奏上すること)」をいう形であろう。のち昏(こん)声の字となる。〔説文〕十二上に門声の字を正字、昏・に従う字を重文とし、「聲を知るなり」(小徐本)と聞知の意とする。聽(聴)・(聖)の初形は、卜文の聞の初形に、祝詞の器の形である(さい)を加えたもので、みな神の声を聞く意である。周初の金文の〔大盂鼎〕に「我聞くに、殷の、命(天命)をせるは」の聞をの形に作る。その昏は、金文の婚・勳(勲)・(こん)の従うところと同じく(爵)の形を含む。神意を聞くときに、そのような儀礼があったのかもしれない。はその形を存するものであろう。聞は戦国期に至ってみえる後起の字である。門は声符であるが、闇・問が門において「神の音ずれ(訪れ)」を聞く意であることからいえば、門において神の声を聞く意を以て、門に従うものであるかもしれない。[訓義]1. きく、ききとる、神のこえをききとる。2. うける、おしえられる、しる、さとる。3. もうす、天子にもうす、以聞。4. おとずれ、しらせ、音聞。5. きこえる、ほまれ、うわさ、名声。[古辞書の訓]〔名義抄〕聞 キク・キコユ・ホガラカナリ・カグ・キコシメス 〔字鏡集〕聞 キク・キコユ・カグ・キキシル・ヤハラカナリ・ホガラカナリ・キコシメス[熟語]聞見▶・聞香▶・聞習▶・聞人▶・聞政▶・聞説▶・聞奏▶・聞達▶・聞知▶・聞道▶・聞風▶・聞望▶・聞名▶・聞命▶・聞問▶[下接語]以聞・異聞・逸聞・遠聞・佳聞・嘉聞・寡聞・怪聞・外聞・奇聞・記聞・旧聞・見聞・語聞・誤聞・洽聞・告聞・細聞・醜聞・升聞・上聞・新聞・仁聞・声聞・接聞・奏聞・相聞・仄聞・側聞・多聞・著聞・聴聞・伝聞・内聞・博聞・聞・風聞・無聞・名聞・余聞・流聞・令聞 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報