もやくや(読み)モヤクヤ

デジタル大辞泉 「もやくや」の意味・読み・例文・類語

もや‐くや

[副](スル)
むしゃくしゃするさま。
「さまざまの妄想が、狭い胸の中で、― ―煮えくり返る」〈左千夫・隣の嫁〉
ごたごたするさま。
「何か―する中へ、ちょっとお邪魔と出かけたが」〈伎・御国入曽我中村〉
[名]
気持ちがうつうつとして晴れないこと。もやもや。
「胸の―を晴そうと」〈木下尚江良人の自白
もめごと。いざこざ
「さっきにからの―寝られはせまい」〈浄・盛衰記
[類語]1もやもやぼけっと朦朧もうろうぼやける雲をつかむ不確か曖昧曖昧模糊ファジー茫乎ぼうこぼうっとなんとなくなんだかそこはかとないほんのりなんとはなしどことなくそれとなしに心なしなにかしら思いなしかほのか模糊茫茫ぼうぼう漠漠不明瞭茫漠ぼうばくもやつくぼんやり彷彿ほうふつ不鮮明憂鬱憂さ鬱気気鬱鬱鬱陰鬱鬱然鬱陶しい物憂い暗鬱沈鬱くよくよくしゃくしゃ重苦しいくさくさ滅入る塞ぐ塞ぎ込む気塞ぎ悶悶もんもんやるせないくすぶるわだかまる意気消沈暗澹あんたん胸騒ぎ怪訝けげんいぶかしいいぶかる辛気歯がゆいいらいら

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精選版 日本国語大辞典 「もやくや」の意味・読み・例文・類語

もや‐くや

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
    1. もやもや[ 一 ]
      1. [初出の実例]「何かもやくやする中へ、ちょっとお邪魔と出かけたが」(出典:歌舞伎・御国入曾我中村(1825)四立)
    2. もやもや[ 一 ]
      1. [初出の実例]「互に心のうちにのみもやくやわやわやとしてかなしければ」(出典:浮世草子・紅白源氏物語(1709)二)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. もやもや[ 二 ]
      1. [初出の実例]「さっきにからのもやくや寐られはせまい聞たで有ふ」(出典:浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)三)
    2. もやもや[ 二 ]
      1. [初出の実例]「ツイ気にかかる胸のもやくや」(出典:人情本・恩愛二葉草(1834)二)

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