漠漠(読み)バクバク

デジタル大辞泉 「漠漠」の意味・読み・例文・類語

ばく‐ばく【漠漠】

[ト・タル][文][形動タリ]
広々として果てしないさま。「漠漠たる荒野」
ぼんやりとしているさま。とりとめのないさま。「空々漠漠
「―たる挨拶をした」〈漱石虞美人草
[類語](1空漠だだっ広い蒼茫広やか広い広大広壮広漠広広広範広闊こうかつ開豁かいかつ茫漠茫茫渺茫びょうぼう茫洋洋洋幅広はばびろワイド広角渺渺びょうびょう豁然かつぜん広域空闊くうかつ浩浩広大無辺無辺無辺際一望千里果てし無い手広い/(2不確か曖昧曖昧模糊うやむやあやふや漠然おぼろげ不鮮明不明瞭ファジー煮え切らないどっちつかず要領を得ない雲を掴むなんとなくなんだかそこはかとないほんのりなんとはなしどことなくそれとなしに心なしなにかしら思いなしかほのかぼけっと朦朧もうろうぼやけるもやもや模糊茫乎ぼうこぼうっと茫茫ぼうぼう茫漠ぼうばくもやくやもやつくぼんやり彷彿ほうふつ憂鬱憂さ鬱気気鬱鬱鬱陰鬱鬱然鬱陶しい物憂い暗鬱沈鬱くよくよくしゃくしゃ重苦しいくさくさ滅入る塞ぐ塞ぎ込む気塞ぎ悶悶もんもんやるせないくすぶるわだかまる意気消沈暗澹あんたん胸騒ぎ怪訝けげんいぶかしいいぶかる辛気歯がゆいいらいら

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精選版 日本国語大辞典 「漠漠」の意味・読み・例文・類語

ばく‐ばく【漠漠】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙
  2. 広々としてはてしのないさま。遠く遙かなさま。遙かに続くさま。
    1. [初出の実例]「春花漠々鳥関々、細馬香衫聞也攀」(出典:本朝無題詩(1162‐64頃)四・春日遊覧〈藤原忠通〉)
  3. 塵などがまい上がるさま。風などがわきおこるさま。煙、ガスなどがたちこめたりたなびいたりするさま。莫莫
    1. [初出の実例]「春之為気也、霏々焉、漠々焉」(出典:菅家文草(900頃)二・早春、侍宴仁寿殿、同賦春暖序)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐秋日虁府詠懐百韻詩〕
  4. ひっそりと静かであるさま。〔荀子‐解蔽〕
  5. とりとめのないさま。ぼんやりとしたさま。うす暗いさま。
    1. [初出の実例]「『はあ、さうかい。そりゃあ』と漠々(バクバク)たる挨拶をした」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一四)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐茅屋為秋風所破歌〕

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普及版 字通 「漠漠」の読み・字形・画数・意味

【漠漠】ばくばく

静かな、安らかな、広やかな、たちこめる、さかんなさまをいう。唐・杜甫諷録事の宅に、曹将軍覇の画ける馬の図を観る歌〕詩 此れ皆騎戰、一もてす 縞素(かうそ)(白い絵絹)として、風沙開く

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