訝る(読み)イブカル

デジタル大辞泉 「訝る」の意味・読み・例文・類語

いぶか・る【×訝る】

[動ラ五(四)]《古くは「いふかる」とも》
疑わしく思う。怪しく思う。「不審な挙動を―・る」「機械がたてる異音を―・る」
はっきりしないので気がかりである。心もとなく思う。「目標の達成を―・る」
[類語]疑う怪しむ疑る怪訝けげん邪推深い疑い深い慎重手堅い用心深い大事を取る石橋を叩いて渡るプルーデント疑心暗鬼疑心暗鬼を生ずいぶかしいいぶかしむ勘繰るもやもやぼけっと朦朧もうろうぼやける雲をつかむ不確か曖昧曖昧模糊ファジー茫乎ぼうこぼうっとなんとなくなんだかそこはかとないほんのりなんとはなしどことなくそれとなしに心なしなにかしら思いなしかほのか模糊茫茫ぼうぼう漠漠不明瞭茫漠ぼうばくもやくやもやつくぼんやり彷彿ほうふつ不鮮明憂鬱憂さ鬱気気鬱鬱鬱陰鬱鬱然鬱陶しい物憂い暗鬱沈鬱くよくよくしゃくしゃ重苦しいくさくさ滅入る塞ぐ塞ぎ込む気塞ぎ悶悶もんもんやるせないくすぶるわだかまる意気消沈暗澹あんたん胸騒ぎ辛気歯がゆいいらいら

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精選版 日本国語大辞典 「訝る」の意味・読み・例文・類語

いぶか・る【訝】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 ( 古くは「いふかる」。「いぶかし」の動詞形 )
  2. はっきりしないので気がかりに思う。おぼつかなく思う。
    1. [初出の実例]「筑波嶺を さやに照して 言借(いふかり)し 国のまほらを つばらかに 示し賜へば」(出典万葉集(8C後)九・一七五三)
  3. いきどおる。怒り狂う。
    1. [初出の実例]「悪神伊不迦理(イフカリ)て人民亡、火気発起而、天下不安」(出典:倭姫命世記(1270‐85頃))
  4. あやしく思う。不審に思う。疑う。
    1. [初出の実例]「王仁といふ人のいぶかり思ひて、よみてたてまつりける哥也」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
    2. 「お常はいよいよ不審(イブカ)り『それじゃアおまへは、連(つれ)人達にはぐれたのかへ』」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉四)

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