暗澹(読み)アンタン

デジタル大辞泉 「暗澹」の意味・読み・例文・類語

あん‐たん【暗×澹】

[ト・タル][文][形動タリ]
薄暗くはっきりしないさま。暗く陰気なさま。
曇空には雲が―と動いていた」〈梶井・冬の日〉
将来の見通しが立たず、全く希望がもてないさま。「暗澹とした表情」「暗澹たる人生」
[類語](1暗い薄暗いほの暗い小暗い木暗い小暗がり手暗がり真っ暗暗然冥冥杳として/(2惨烈惨め悲惨凄惨惨憺もやもやぼけっと朦朧もうろうぼやける雲をつかむ不確か曖昧曖昧模糊ファジー茫乎ぼうこぼうっとなんとなくなんだかそこはかとないほんのりなんとはなしどことなくそれとなしに心なしなにかしら思いなしかほのか模糊茫茫ぼうぼう漠漠不明瞭茫漠ぼうばくもやくやもやつくぼんやり彷彿ほうふつ不鮮明憂鬱憂さ鬱気気鬱鬱鬱陰鬱鬱然鬱陶しい物憂い暗鬱沈鬱くよくよくしゃくしゃ重苦しいくさくさ滅入る塞ぐ塞ぎ込む気塞ぎ悶悶もんもんやるせないくすぶるわだかまる意気消沈胸騒ぎ怪訝けげんいぶかしいいぶかる辛気歯がゆいいらいら

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精選版 日本国語大辞典 「暗澹」の意味・読み・例文・類語

あん‐たん【暗澹】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用ナリ・タリ 〙 ( 現代では多く「暗澹たる」「暗澹と(して)」の形で用いられる )
  2. 暗くてものすごいさま。薄暗くてはっきりしないさま。
    1. [初出の実例]「暗澹滄江暁、相携此壮行」(出典:市隠草堂集(1775‐88)前・江暁留別)
    2. 「見え遍(わた)りし家も土蔵も堆き黯黮(アンタン)の底に没して」(出典:金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉後)
    3. [その他の文献]〔白居易‐見紫薇花憶微之詩〕
  3. 特に、気持が暗く、うちしおれているさま。前途に望みを失い、絶望的なさま。また、暗く不安げであるさま。
    1. [初出の実例]「墓石の下に彷徨って居る様な暗憺(アンタン)たる気を」(出典:和蘭皿(1904)〈生田葵山〉糸の縺れ)

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普及版 字通 「暗澹」の読み・字形・画数・意味

【暗澹】あんたん

ほの暗い。宋・欧陽脩〔雁〕詩 水闊(ひろ)く天低く、雲澹たり 風吹きりて、自ら行を

字通「暗」の項目を見る

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