(読み)ホウ

デジタル大辞泉 「報」の意味・読み・例文・類語

ほう【報】[漢字項目]

[音]ホウ(呉)(漢) [訓]むくいる しらせる しらせ
学習漢字]5年
人がした事に対し、それ相当のお返しをする。むくいる。むくい。「報恩報国報酬報復応報果報業報ごうほう返報
告げ知らせる。知らせ。「報告報知報道会報官報凶報警報広報時報詳報情報速報通報電報日報予報朗報
[名のり]お・つぐ

ほう【報】

知らせ。通知。報告。「危篤を受ける」
行為に応じて受けるむくい。応報。返礼
「前の世に福の因を殖ゑずして此の世に貧しき―を得たり」〈今昔・一二・一五〉
[類語]知らせ通知案内通告通達通牒告知連絡インフォメーション

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精選版 日本国語大辞典 「報」の意味・読み・例文・類語

ほう【報】

  1. 〘 名詞 〙
  2. むくい。応報。
    1. [初出の実例]「かく死ぬれば、我身の大納言になるまじきはうにてこそ有けれと」(出典:落窪物語(10C後)四)
  3. 返礼すること。代償を与えること。
    1. [初出の実例]「我聞、漢我頸を以て千金の報(ホウ)万戸の邑に購(つぐのふ)と」(出典太平記(14C後)二八)
    2. [その他の文献]〔史記‐孝文紀〕
  4. しらせ。通知。報告。
    1. [初出の実例]「号砲一声空に轟いて皇后陛下御出門の報(ハウ)伝はれば」(出典:東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉六月暦)
    2. [その他の文献]〔礼記‐郊特牲〕
  5. ほうじん(報身)」の略。
    1. [初出の実例]「法報応の三身の如来を象り奉る所也」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)四)

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普及版 字通 「報」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] ホウハウ)・フ
[字訓] むくいる・こたえる・しらせる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
(じょう)+(ふく)。は手のかせ。を加えることを執という。は人を抑える形で屈服の象。〔説文〕十下に「罪に當る人なり。に從ひ、に從ふ。は罪にするなり」とあり、罪に対する報復刑をいう。金文に応報・報賞の意に用い、先祖の文徳を「報」という。〔礼記、郊特牲〕「に丘乘粢(しせい)を供するは、本に報じ始に反する以(ゆゑん)なり」とみえる。報徳より報知の意となり、報復より報仇の意となる。すべて応報の関係をいう。

[訓義]
1. むくいる、こたえる、かえす、恩をかえす、祖祭の名。
2. もうす、つげる、しらせる。
3. 罪を定める、判定する、罪する、応報。
4. 親族間で密通する。
5. 赴と通じ、おもむく、すみやか。

[古辞書の訓]
名義抄〕報 ムクユ・ツク・コタフ 〔字鏡集〕報 ムクウ・ハタル・カタラフ・ツク・コタフ

[語系]
報puは反・(返)piuanと声義の関係があり、本始にかえることをいう。(還)hoanも同系、はもと復活を意味する語であった。

[熟語]
報虞・報葬報謁報怨・報応・報恩・報音・報仇・報況・報・報君・報隙・報功・報更・報荒・報国・報告・報祭・報歳・報賽・報志・報祀・報施・報紙・報辞・報謝・報囚・報讐・報書・報称・報章・報賞報償・報状・報雪・報切・報知・報恥・報答・報頭・報道・報徳・報納・報風・報復・報覆・報聞・報聘・報本・報命・報礼
[下接語]
悪報・彙報・応報・恩報・果報・回報・快報・官報・雁報・吉報急報・虚報・凶報・響報・報・業報・警報・顕報・現報・顧報・誤報公報・厚報・後報・罪報・施報・週報・酬報・重報・旬報・捷報・詳報・賞報・情報・申報・新報・奏報・速報・朝報・諜報・通報・天報・電報・徳報・内報・日報・白報・反報・飛報・訃報・福報・返報・望報・冥報・問報・予報・陽報・朗報・論報

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